FIT太陽光第7回、落札容量1割切る。最低価格は下げ止まりか
2021/01/26
2020年度下期に当たる、FIT太陽光第7回入札の結果が公表された。落札価格はもちろんだが、気になるのは落札容量だ。太陽光の入札ではここ最近、容量未達が続いている。入札対象が250kW以上に拡大されて2回目の今回、果たして結果はどうなったのか?
募集容量の1割にも満たず
平均落札価格も微減
固定価格買取(FIT)制度の太陽光第7回入札(2020年度下期)の結果が発表されたのは12月25日。第6回入札では、新型コロナウイルス感染症の影響によりスケジュールが2ヶ月ほど後ろ倒しされた。この影響を考慮し、第7回では、前回入札資格を得たものの落札しなかった案件の再エントリーが特別に認められた。
入札範囲は、2020年度から事業用太陽光250kW以上に拡大された。募集容量も前回と同じく750MW、11.50円/kWhの上限価格も事前非公表のまま実施された。
落札結果は83件で69MWと、募集容量の1割にも満たなかった。最低落札価格は10.48円/kWh、最高価格は11.50円/kWh、加重平均落札価格は11.20円/kWhとなった。
落札容量は前回から大幅減
求められる原因究明と対処
前回の第6回入札では、募集容量750MWに対し落札容量は368MWだった。未達とはいえ募集容量の半分近くは集まっていた。今回の入札件数は92件、78MWだったが、このうち9件、約9MWが落札に至らなかった。中には上限価格以上で応札した案件もあったとみられる。一方、最低落札価格は前回の10.00円/kWhから今回の10.48円/kWhと、下げ止まったようにみえる。(参考『FIT太陽光第6回入札、落札価格は下落傾向。依然として容量未達が課題』)
今回の入札は新型コロナによる影響下での実施だったが、容量未達がより顕著にあらわれる結果となった。募集容量の1割にも達しなかったという結果を受け、原因究明が急がれる。上限価格が適正に設定されているのか、上限価格の非公表という実施方法が適切なのかなど、多くの見直しが迫られる。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)