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2020年世界の再エネ導入量、前年比45%増とIEAが発表。ネット・ゼロには加速も必要

IEAが2020年の再エネ導入量を公表した。新型コロナウイルスによる影響があったにも関わらず、太陽光と風力に牽引されて前年から45%の伸びになったという。しかし、世界の気温上昇を産業革命以前に比べて1.5℃までに抑えるには、さらなる再エネ導入量の増加や対策が欠かせないとした。

2020年の再エネ導入は好調
太陽光と風力の伸び大きく

国際エネルギー機関(IEA)の5月11日の発表によると、2020年の1年間で新たに導入された再生可能エネルギーの容量は、前年から45%増加の約280GWとなった。これは1999年以来で最も大きく、太陽光発電と風力発電の伸びが大きく貢献した。太陽光発電は前年比23%の伸び、風力発電に至っては前年比90%と大きく伸長したとされた。

また、2021年の再エネの新規導入量は270GW、2022年には280GWにのぼる見通しも示された。世界の発電設備の新規導入量の約9割に相当すると予想されている。このうち、太陽光発電は2021年に145GW、2022年には162GWに達する見込みだ。

2050年ネット・ゼロに向けて
再エネ導入のさらなる加速が必須

一方で、IEAが5月18日に発表した特別報告書「Net Zero by 2050」では、世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑える道のりの厳しさが列挙されている。この特別報告書は、2021年11月にイギリスのグラスゴーで予定されている第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を念頭に発行されたものだ。

2050年に温室効果ガスの排出量を正味(ネット)ゼロとするには、新たな化石燃料による火力発電への投資を即座にストップすることや2035年までに内燃エンジン乗用車の販売をやめること、2050年までの発電の約9割を再エネ由来とすることなどが挙げられている。

また、さまざまな技術革新を進めつつ実行可能な方策をすべて行うネット・ゼロのシナリオが提示された。このシナリオでは、2030年までに年間の再エネ新規導入量を太陽光630GW、風力390GWにまで拡大しなければならないとしている。これは2020年の導入量の約4倍に相当する。

IEA事務局長のファティ・ビロル氏は、気候変動対策は人類が直面する最大級の課題であるとしながらも「この明るい未来へのIEAの道筋は、クリーンエネルギーへの投資に歴史的な急増をもたらし、何百万もの新しい雇用を生み出し、世界の経済成長を促進する」と述べている。

DATA

IEA「Renewable Energy Market Update 2021
IEA「Net Zero by 2050


文:山下幸恵(office SOTO)

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