2030年までに「脱炭素先行地域」100ヶ所目指す。政府がロードマップ承認
2021/07/08
地方の脱炭素化の取り組みを課題解決や地方創生につなげる「地域脱炭素ロードマップ」案が示された。2030年までに全国に100ヶ所の「脱炭素先行地域」をつくるため、今後5年間に政策を総動員する考えだ。
全国100ヶ所の脱炭素先行地域
2030年までの創出目指す
6月9日、政府は国・地方脱炭素実現会議で「地域脱炭素ロードマップ」の案を了承した。このロードマップには、地域における脱炭素に向けた取り組みが課題解決や地方創生につながるというキーメッセージが込められている。先行地域を生み出すことで、脱炭素の取り組みを全国に伝搬させ、2050年より早くカーボンニュートラルを実現するという、いわゆる「脱炭素ドミノ」を念頭に置いたロードマップだ。
ロードマップの全体像として、足元から5年間に政策を総動員し、2030年までに少なくとも100ヶ所の「脱炭素先行地域」をつくることが掲げられた。脱炭素先行地域とは、家庭や業務部門の電気使用によるCO2排出量実質ゼロを実現する地域とされた。運輸部門や熱利用の分野においても、国の目標と整合する取り組みを行うことが求められている。
重点対策に自家消費太陽光
住宅や建築物の省エネの徹底も
具体的な取り組み内容としては、地域特性や気候風土を踏まえながら、再エネや省エネ、EVやPHEVといった次世代自動車の利用などを組み合わせて行うとされた。
また、8つの重点対策が明示された。「屋根置きなど自家消費型の太陽光発電」のほか、地域に便益をもたらす再エネの増進や、公共施設を含む住宅・建築物の省エネの徹底などが含まれている。
これらの重点対策に対し、国はガイドラインの策定や積極的な支援メカニズムなどを構築して後押しする構えだ。地方自治体や金融機関、中核企業などが参画した体制を築き、政策をスムーズに進めるとされた。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)