[O&Mスペシャリスト インタビュー]低圧太陽光のO&Mに不可欠なこととは?
2021/11/05
脱炭素社会の実現に向けて、重要な役割を担う太陽光発電。一方で、管理が行き届かず、地域社会とトラブルを起こす低圧太陽光発電所も少なくない。“低圧”のO&Mに、いま求められることとは? エナジー・ソリューションズの森上寿生社長に聞いた。
発電事業者には
社会的責任がある
エナジー・ソリューションズは、再生可能エネルギーに関連したITサービスを開発・提供し、太陽光発電監視サービス「ソーラーモニター」を2012年から展開しているO&Mサービスのパイオニア。低圧から特高まで8000ヶ所以上のモニタリングを手掛けてきた同社、森上寿生社長がいま思うこととは? 今回は“低圧”のO&Mをテーマに話してもらった。
エナジー・ソリューションズ株式会社 代表取締役社長 森上寿生氏
──低圧太陽光におけるO&Mの重要性は?
O&Mの重要性は、高圧だろうが低圧だろうが変わりません。ただ現実には、メンテナンスが疎かになっている低圧太陽光発電所が少なくないのも事実です。しかし、低圧といえども立派な発電所であり、発電事業者には適正な発電をさせる責任があります。一つひとつは小さくても、全国約65万の太陽光発電所の大半は低圧なのですから、その影響力は計り知れません。電力の需給バランスにまで影響を及ぼす大きな存在なのです。
最近では太陽光発電所の近隣の方から、雑草による虫の繁殖や、フェンスがなくて誰でも入れる状態に対して、自治体にクレームが入ることも珍しくありません。また、近年多発している台風などの自然災害にも備えておくことが求められます。O&Mは売電収入を落とさないためだけでなく、社会的責任としても疎かにしてはならないものなのです。
──低圧太陽光向けO&Mサービスとは?
当社では、低圧太陽光向けのメンテナンスパックとして、「om’s(オムズ)」というサービスを立ち上げ、日本各地でご利用いただいています。om’sは太陽光のメンテナンスに必要なものすべてを一本化したもので、保険・駆けつけ・売電保障・モニタリング・点検を含んでいます。これらをワンパッケージにして、月額約1万円からという低価格でご提供しています。
自然災害に適用される保険がセットになっているところが大きな特長で、駆けつけサービスにも回数制限がありません。モニタリングについては、当社の監視装置(ソーラーモニター)でなくても対応できますので、これまでのシステムを変えることなくご利用いただけます。
発電量低下を抑え、
売電損失を防ぐために
──低圧太陽光には、どんなトラブルが多いのか?
台風や暴風雨によって、パネルが飛んだり、水害にあったりということが増えました。今年はとくに雷が多くて、パワコンが止まったり、ブレーカーが落ちるケースが頻発しました。
そして、日常的にもっとも多いのが雑草によるトラブルです。モニタリングをしていると分かるのですが、春先までは良い感じできているのに、6月くらいから発電量が落ちてくる。こういう場合、ほとんどは雑草が悪さをしています。雑草がパネルを覆ったり、高く伸びて影になっていたりして、発電量低下が起こっているのです。
──雑草対策の方法は?
一般的には、まだ草刈りで対応しているところが多いですね。当社でも依頼をお受けしますが、6月に1回刈っても8月にはまた発電量低下が起こってしまうので、年に2回は刈る必要があります。ただ、どうしても草が生えて発電量が低下する期間があるので、売電損失を完全に防ぐことはできません。
当社では、雑草対策の切り札として、防草シートのご提案もしています。草が生えてから対策を講じるのではなく、はじめから草が生えないようにしてしまいましょうということですね。防草シートの品質にも各種ありますが、私たちは自社の発電設備で実際に採用し、効果を確認できた防草シートだけをご提案しています。
──どんな防草シートを採用しているのか?
白崎コーポレーションの太陽光発電所向け防草シートです。製品品質が高いのはもちろんですが、同社の防草シートには、他社製にはない長期保証(12年間)をつけることができます。保証期間中は、シートが破れて草が生えてくるようなことのないようメーカーとしてメンテナンスもしてくれるので安心です。
売電損失が出ることもなく、年2回の草刈りと比べ、コスト的にも割安になります。また、白崎コーポレーションの防草シートはクレジットに対応しており、分割払いができるので、初期費用をかけることなく敷くことも可能です。この点も、低圧太陽光のオーナーにとって大きな魅力といえるでしょう。
雑草が生えると虫も湧いてきて、近隣の迷惑になってしまいます。はじめに申し上げた社会的責任の意味からも、雑草対策には手を抜かないでいただきたいと思っています。
──将来に向けて思うことは?
地球温暖化防止に向け、再生可能エネルギーを最大限活用していくためにも、O&Mで発電量をしっかり維持していくことが重要です。太陽光発電所は、けっしてメンテナンスフリーではありません。これから10年目以降に入ってくると、必ず故障します。発電が止まってからでは遅いので、そうなる前にきっちりとO&Mを行っていきましょう。
DATA
取材・文:廣町公則
Sponsored by 株式会社白崎コーポレーション