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「市場連動型料金メニュー」のデメリットも需要家へ説明を。経産省が指針を改正

2020年末のJEPX高騰では「市場連動型料金メニュー」を契約していた需要家の電気料金が急騰したことが問題視された。昨冬の市場高騰から約1年が経った11月、経済産業省は小売電気事業者に対し「市場連動型料金メニュー」のメリットだけでなく、デメリットも需要家へ説明するよう指針を改定した。

昨冬のJEPXトラブル教訓に
デメリットの説明も求める

「市場連動型料金メニュー」とは、電気料金の単価が日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格に連動する電気料金メニューだ。JEPXの市場価格が低いときは電気料金も安いが、市場価格が高騰すると電気料金も連動して高くなる。

経済産業省は11月15日、小売電気事業者に対し、この市場連動型料金メニューについて需要家に十分説明を行うよう「電力の小売営業に関する指針」を改定した。この指針は、小売電気事業者が守るべき需要家への説明義務のほか、営業上の望ましい行為や問題となる行為も定めている。

今回の改定では、市場連動型料金メニューのメリットだけでなくデメリットも説明するよう求めた。過去の高騰の事例を説明するなど、需要家にわかりやすく伝えることが望ましいとされた。背景には、需要家が電気料金メニューについて公平に判断できるような情報提供を十分に行うことで、昨冬のようなトラブルを避ける考えがある。

省エネの情報提供でランク付け
電力・ガス会社選ぶ新たな指標に

2022年4月からは、省エネの情報発信の取り組み内容でエネルギー小売事業者をランク付けする「省エネコミュニケーションランキング制度」が始まる見通しだ。エネルギー小売事業者とは、小売電気事業者のほか都市ガスやLPガス会社などを指す。

省エネコミュニケーションランキング制度では、エネルギー小売事業者が需要家に対し、省エネの情報発信をどれくらい行っているかを評価・採点し、星の数でランク付けする。毎月の電気・ガス使用量の前年同月との比較や、具体的な省エネ方法の情報提供などについて評価される。

(『省エネコミュニケーションランキング制度』のロゴの記載例 出典:経済産業省)

経産省がこの新制度をスタートするのは、省エネに積極的なエネルギー小売事業者を需要家が選択することで、エネルギー消費量全体を効率化したい考えあるからだ。2030年に温室効果ガス削減量46%という目標に向け、今後もさまざまな制度の見直しが予想されるとともに、小売電気事業者は需要家とのコミュニケーションをより充実させるよう求められている。

DATA

経済産業省「電力の小売営業に関する指針」
2021年度第2回 エネルギー小売事業者の省エネガイドライン検討会


文:山下幸恵(office SOTO)

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