現地調査ナシで驚きの低コスト! 東大発ベンチャーの「ぷらマネ評価サービス」で性能評価
2022/04/11
東大発のIoT技術と独自のAI技術を用いて、太陽光発電のステークホルダーが抱える課題を解決するヒラソル・エナジー。発電所の性能評価から修繕・再生までをワンストップで行い、発電所の本来の価値を取り戻す。
理想の発電量との乖離を可視化
不具合の要因をスピーディに解明
ヒラソル・エナジーの「ぷらマネ評価サービス」は、現地への訪問を必要としない“お手軽な”評価サービスだ。ただし、お手軽といっても、同社の得意とするIoT技術やAI技術を駆使して発電性能を高精度で評価する革新的なサービスだ。
具体的には、人工衛星から入手した全国の精緻な日射データや、最先端の太陽光発電モデリング技術を活用し、依頼を受けた発電所の理想的な発電量をシミュレーションする。理想の発電量と実績の発電量にどれくらいの差異があるのかを可視化することによって、隠れた不具合を洗い出す。ギャップが大きいほど、その発電所に不具合が潜んでいる可能性が高いという。
「ぷらマネ評価サービス」で発電量の期待値と実績値、その乖離を示したグラフ
(発電量の期待値と実績値をグラフで示し、何らかの不具合が発生している可能性をわかりやすく可視化する。出典:ヒラソル・エナジー株式会社)
性能評価にあたって最低限必要となる情報は、FITの設備IDと1年以上の実績発電量のみ。情報のインプット後、最短10営業日で発電性能の評価レポートを納品できる。発電所への訪問を必要としないため、スピーディーな評価が可能だ。
同社取締役兼COOの畔上兼一氏は「当社の『ぷらマネ評価サービス』は、過去の発電量の実績と必要最低限の設備情報だけで発電所の性能評価ができる、これまでにないお手軽で高品質な評価サービスです。太陽光発電に携わる多くのステークホルダーのお悩みを可視化し、迅速に解決します」と話す。
評価が完了すると、「ぷらマネ評価報告書」が発行される。発電所の性能は発電スコアとして「A〜D」の4ランクで採点される。グラフや表も掲載されるため、太陽光発電の専門家でなくても理解しやすく、発電所がどのような状態にあるのかが一目瞭然だ。発電所オーナーや投資家、あるいは金融機関といった第三者へも、発電所の状態をわかりやすく伝えることができる。
「ぷらマネ評価サービス」を実施した結果、発電所のパフォーマンスが思わしくない場合には、同社の「ぷらマネ再生サービス」を利用することができる。このサービスでは、詳細調査・修繕提案・再生工事までワンストップで提供し、期待発電量を回復するまでのプロセスを一貫してサポートする。
最新データやモデリングを駆使
“健康診断”のように気軽に実施を
「ぷらマネ評価サービス」では、高品質な衛星データに加え、米国の太陽光発電モデリング関数(PMF)などをもとにしたモデリング技術を活用している。こうした最先端のPMFとIoT技術、AI技術を組み合わせることで、短時間で現状に即した精緻な評価ができる。
畔上氏によると「これまでの太陽光発電所の評価では、使用されるデータベースが古く、情報の精度や信頼性に問題がありました。2021年にNEDOから公開された時刻別の日射量予想データベース「METPV-20」は、それ以前に公開されたものに比べて、全国的に日射量が増加傾向にあります。これは地球温暖化や大気汚染の軽減などが原因だといわれており、場所によっては1〜2割程度、増加している地点もあります。そのため、2021年よりも前に作られた事業計画をもとに発電量の良し悪しを評価すると、近年の日射量の増加傾向を反映できず、不具合などを見逃す恐れがあります。当サービスは、最新の日射データ、モデリングに基づいて発電量の算出を行うため、より精度の高い評価ができるのです」という。
こうした信頼性の高い評価サービスを手頃な価格で受けられるというのが「ぷらマネ評価サービス」の大きなアドバンテージのひとつだ。現地調査を要しない同サービスの価格は従来の約10分の1だという。リーズナブルでお手軽でありながら高精度な「ぷらマネ評価サービス」は、太陽光発電の性能評価におけるポジショニングで優位に立っている。
「ぷらマネ評価サービス」の太陽光発電の性能評価におけるポジショニングマップ
(太陽光発電の性能評価におけるポジショニングマップにおいて『ぷらマネ評価サービス』は、高精度・実用的かつ手軽で安価なサービスに位置付けられる。出典:ヒラソル・エナジー株式会社)
また、最新鋭のデータベースを利用するため、日本全国の太陽光発電所の評価が可能だ。もちろん、パワコンの出力を超えるパネルを搭載する過積載にも対応している。
「ぷらマネ評価サービス」の対象となるのは低圧(50kW未満)、高圧(2MW未満)、特別高圧(2MW以上)とすべての太陽光発電所。ただし、条件が複雑になる特別高圧については応相談ということだ。
畔上氏は「これまで、低圧などの比較的小規模な太陽光発電所には、十分なプラント・マネジメントが行われていませんでした。太陽光発電所は投資の対象として捉えられることが多く、プラント(発電所)としての設備のマネジメントが不十分だったのです」と指摘する。
特に、電気主任技術者を選任する必要のない低圧発電所ほどこうした傾向にあるという。そのため、同社は低圧発電所や、小規模の高圧発電所を「ぷらマネ評価サービス」のメインターゲットに据え、リーズナブルで実行に移しやすい性能評価サービスとして提供しているという。
「当社は、低圧の発電所にも、まるで健康診断を受けるように気軽に性能評価を行っていただきたいと考えています。こうした思いから『ぷらマネ評価サービス』の提供を始めました」と畔上氏は語る。
約20%の国内の太陽光発電所
本来の性能の8割未満で稼働
同社によると、国内の太陽光発電所のうち約20%が、本来の性能の8割未満で稼働しているのだという。何らかの原因によって、期待される発電量が発揮されていないということは、売電収益を逸失していることを意味する。
畔上氏によれば、現在の売電損失は全国の合計で年間1,500億円、環境損失はCO2換算で年間350万トンにのぼるという。
現状の発電所の運用・管理では、これほど多くの収益損失と環境損失が発生しているのみならず、設備管理が不十分な発電所では電気保安上のリスクも懸念され、日本にとって喫緊の課題といえる。
「ぷらマネ評価サービス」をきっかけにして、小規模太陽光発電所の設備管理が適切に行われれば、オーナーには売電収益の上昇が、日本全体にとってはCO2フリー電源の増加がもたらされることになる。
(国内の約20%の太陽光発電所が、本来発揮すべき性能の8割にも満たない状態で運転を続けており、大きな収益損失・環境損失につながっている。出典:ヒラソル・エナジー株式会社)
同社では、こうした発電所の性能評価を行うだけでなく「ぷらマネ再生サービス」による再生工事も提供している。同サービスは、修繕によって向上した顧客の売電収益からサービス料金を頂くという初期費用のかからない成果報酬式だ。初期投資が不要のため、メンテナンス事業者からオーナーへ提案する際のハードルも低く、受け入れられやすいという。
東京大学発のヒラソル・エナジーは、IoT技術を事業化するために設立されたベンチャー企業だ。「技術革新とDXで百年続く太陽光発電の実現をめざす」というビジョンを掲げ、発電効率を最大化するサービスを提供している。これまでに評価した全国の太陽光発電所はのべ76MWを超える。
話を聞いた人
ヒラソル・エナジー株式会社
取締役兼COO 畔上兼一氏
取材・文:山下幸恵(office SOTO)
Sponsored by ヒラソル・エナジー株式会社