LONGi、N型バックコンタクト「Hi-MO 9」を市場投入。TOPConを超えた新領域へ!
2024/10/29
最新のBC(バックコンタクト)技術を採用したN型モジュール「Hi-MO 9(ハイモ・ナイン)」が、日本に初上陸。モジュール出力660W、変換効率24.43%を実現する。
LONGi(ロンジ)は2024年10月2日~4日、幕張メッセ(千葉市)で開催された「PV EXPO【秋】〜第19回[国際]太陽光発電展」において、高効率BC(バックコンタクト)技術を用いたN型モジュールの新製品「Hi-MO 9(ハイモ・ナイン)」を初公開した。N型単結晶シリコン「TaiRay(タイレイ)」M11ウェハと最先端のBC技術が融合した同社初のN型BCモジュールだ。
1.圧倒的な高効率と実発電量が魅力
2.長期信頼性に優れ、外観も美しい
圧倒的な高効率と実発電量が魅力
Hi-MO 9の特長は、N型TOPCon製品をも上回る高効率・高出力、長期信頼性、実発電量、そしてシンプルで美しい外観にある。BC技術とは、従来はセルの表面にあった配線(バスバーやフィンガー)を裏面に集約する技術であり、表面から配線を無くすことで、太陽光の取り込みを最大化し、効率と出力の大幅向上を可能にする。
TaiRayウェハは、抵抗値のばらつきが小さいため、モジュール内での変換効率のばつきが抑えられ、電流ミスマッチも減少する。また、ゲッタリング(不純物捕捉)性能の向上により、変換効率がさらにアップし、出力劣化も抑えられる。先進のBC技術と相まって、Hi-MO 9の出力は、TOPCon製品が最大630W程度(LONGi調べ)であるのに対し、640~660Wにも達するという(パネルサイズ2382mm×1134mmの場合)。
PV EXPOにおける「Hi-MO 9」展示の様子
長期信頼性に優れ、外観も美しい
BC技術は、配線がセルの裏面に一直線で配置されているため、TOPConを含む従来型セルのようにセルの表側と裏側の間で配線が折れ曲がることがなく、断線やセル端部への応力によるセルクラックのリスクを大幅に軽減する。また、TaiRayウェハは、従来のウェハより、機械的強度が高いという。加えて、二層構造POEおよび高耐水性シーラントという高性能封止材を採用することで、湿気や熱に対する優れた耐性を実現し、長期信頼性をさらに向上させている。
こうした信頼性の向上と出力劣化の抑制を背景に、LONGiではHi-MO 9に、これまでにないリニア出力保証値(2年目以降:-0.35%/年)を設定している(同社TOPConの場合、2年目以降:-0.40%/年)。この出力保証値は、ユーザーにとって、さらなる安心をもたらすものとなるだろう。
その優れた性能は、LCOEを低減させ、全ライフサイクルでの収益アップに貢献する。野立ての太陽光発電所はもちろん、表面に配線がなくシンプルで美しい外観となっているので、デザイン性が求められる商業施設等の屋根上設置にも適している。
「Hi-MO 9」のシンプルな表面(左)と配線が集約された裏面(いずれも一部)
取材・文:廣町公則