編集部からのお知らせ

発電量の損失、“電線の太さ”を変えるだけで解消!

FIT施行から早3年。2012年に日本メガソーラー整備事業株式会社を設立し、太陽光発電所の「全体の最適化」を追求し続けてきた代表取締役社長 目﨑雅昭氏による“行列ができる”“世界一受けたい”ゼミナールがここに開講。

目立たない場所だが配線ロスは無視できない

事業用太陽光発電の場合、事業利益を最大化するためには、発電効率の向上と発電ロスの低減が不可欠です。中でも見落とされがちなのが、電線の太さが足りないことによる、配線ロスです。

■太陽光発電事業は、簡単そうに見えて、実は設備の設置の仕方や施工、メンテナンスなどで、発電量が大きく違ってくると聞きます。どのようなことが影響しているのでしょうか?
太陽光発電設備は、適切な工事を行うかどうかによって、発電量が大きく変わってきます。
太陽電池パネルに影がかかったり、パワコンの性能が低かったり、その他にも様々な理由で発電量の減少、電気の損失がおこります。なかでも電線の細さに由来する配線ロスは、よく見落とされます。

■配線ロスというのは、どういうことですか?
電気を流す物質には、抵抗(電気の流れにくさ)があるのは知っていると思います。流れにくいところに電気を流すと、電気のエネルギーが熱になって失われます。電熱線はこのしくみを利用したもので、オーブントースターやホットプレートなどに使われています。実は電気を通しやすい金属でも、小さな抵抗があり、電気は熱になって失われているのです。

 

■配線ロスをゼロにすることはできますか?
超電導物質でも使わない限り、ゼロにはなりません。しかし、レイアウトを工夫して電線の距離を短くすることや、太い電線を使うことなど、配線ロスを減らす方法はあります。
黒板に示した表は、パワコンから接続箱まで(A)が80m、接続箱からパネルまで(B)が30mという、実際の発電所で多く見られる距離を前提とした場合に、A・Bそれぞれに使用する電線の太さから、配線ロス率にどのような違いが生じるかを示したものです。JIS規格の一般的な太さの電線を使用した場合、配線ロス率は3%。Aにより太い電線を2本使用し、Bにも一般より太い電線を使用した場合には、配線ロス率は1.09%に抑えられます。 しかし、A・Bどちらにも細い電線を使用した不十分な施工では、配線ロス率はなんと7.48%。使用する電線の太さが違うだけで、実に6%以上もの発電量の差が発生するわけです。大規模なメガソーラーほど、敷設する電線が長くなり、配線ロスが大きくなります。ですから、よりいっそう、電線の太さには留意することが求められます。

(画像※黒板1)

12>

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 10kW未満の住宅用・事業用太陽光発電の屋根設置 10月から買い取り価格を大幅に引き上げ...
  2. 【参加受付中!】2025年4月22日(火)「第33回PVビジネスセミナー」
  3. 同時市場導入へ詳細な検討がスタート、課題が多く実現に不透明感も
  4. 中国産の黒鉛電極に「反ダンピング課税」暫定適用、調査期間を3ヶ月延長...
  5. 【インタビュー】AIKO SOLAR 躍進の秘密に迫る! 日本人CTOが挑んだこととは?...
  6. HUAWEI 新型蓄電システム、3機種を一挙公開 産業用・住宅用ともに「安全性」を徹底追求...
  7. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
  8. 青森県再エネ共生税・共生条例が県議会で可決、ゾーニングと課税を組み合わせた都道府県条例は全国初 ...
  9. 【FIPの進化形】時代はFIP移行+蓄電池へ! 新たなビジネスモデルを探る《FIP転》...
  10. 【2025年度の新制度①】早期連系追加対策・初期投資支援・省エネ基準適合義務化を徹底解説...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.52 | ¥0
2025/1/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ