編集部からのお知らせ

地域活性化の鍵は木質バイオマスエネルギーにあり

日本にある豊かな森林資源を、有効的に活用しようとする取り組みに期待が高まっている。森林資源はどのようにエネルギーとして活用されるのか?木質バイオマスエネルギーを進める理由とは何か?農林水産省の玉置 賢氏に伺った。

森林資源の有効活用
林地残材の活用が鍵

日本は、国土面積の3分の2にあたる約2500万ヘクタール(2500億㎡)が森林です。 その約4割は人が植え育てた人工林であり、森林資源は、国内の木材需要量を超える約1億㎥ずつ、毎年増加しています。現在、森林資源の総量は約49億㎥。そのうち、利用に適した時期を迎えた木が、半分以上になっている状況です。

この豊富にある森林資源を、どう活用していくか。それは、私たちがずっと取り組んできた大きな課題です。そうした意味からも、製材などのマテリアル利用に加え、近年木質バイオマスのエネルギー利用について積極的に後押ししているところです。
とくに、間伐材や、伐採時に山に放置されてきた枝葉や、小径木などの林地残材の使い道として、おおいに期待しています。

間伐が行われなければ森林を健全に保つことはできませんから、山を育てるという意味においても、エネルギー利用は重要な意味をもっているのです。

国としても「エネルギー基本計画」に基づいて、木質バイオマスのエネルギー利用を推進しており、本年9月に閣議決定された「バイオマス活用推進基本計画」では、未利用の林地残材の利用率を現行の9%から2025年には30%まで引き上げることを目標としています。

 

FITにより発電に活路
熱利用のさらなる推進を

木質バイオマスのエネルギー利用推進においては、FITが大きな役割を果たしています。FITによって、未利用木材にも明確な商品価値が与えられることになりました。未利用木材の買取価格(2016年度)は、1 kwhあたり2000kw未満の設備で40円、2000 kw以上で32円です。本年3月末時点で、未利用木材を主燃料とする木質バイオマス発電所は、全国で68ヶ所が認定済。このうち28ヶ所が運転中で、今後も順次稼働していく見込みです。

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●FIT開始後新規認定を受けた未利用木材を主な燃料とするバイオマス発電施設の稼働状況

 

一方で、木質バイオマスの熱利用にも積極的に取り組んでいかなければなりません。熱利用はエネルギー変換効率が高く、森林資源の有効活用という意味では極めて有効です。

最近では、公共施設や温泉施設、農業用ハウスなどで木質バイオマスボイラーを導入する動きが拡がっていますが、まだまだ増やしていくべきものでしょう。

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