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電力受給ギャップが問題に。米国”ダックカーブ現象”

ダックカーブで見える
需要と供給のズレ

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<出典:California Independent System Operator>

ダックカーブにより、太陽光発電の大量導入で将来生じる可能性がある問題が2つ見えてくる。1つめは、日中の電力需要量が電力会社による全体の供給量を上回ってしまう問題。電力会社は昼夜を問わず継続的に稼働できる電源、火力発電所(主に石炭)など集中型発電所を「ベースロード電源」として電力を供給するのだが、太陽光発電が増加すると、日中の電力需要が減少し、出力を変化に応じて下降調整しなくてはならなくなる。または、需要に対して供給が過剰となり、周波数を一定に保つことができなくなり、電力の安定供給が難しくなる。

2つめは、夕方から夜にかけ、太陽光発電からの供給がガクッと下がった直後に電力需要が急激に上がり、供給不足になる問題。発電の調整が追いつかず、周波数を一定に保つことができなくなる恐れが生じる。または、高需要期に応じて、出力を迅速に調整できる石油などを使用した化石燃料電源が大量に必要になってくる。CAISOによると、 2020年には約13GWの需要を、3時間という短時間で急速に埋めなければならなくなる可能性もあるそうだ。

ダックカーブの解決法は
夕方のピークカット

どうすればダックカーブを和らげることができるのか? それは、本来であれば、調整役としてのベース電源による供給を日中削減することと、夕方からの大きな需要の差を埋めるために、柔軟性のある火力発電などの稼働を増加しないように防ぐことである。

身近な解決策として、電力会社の電力需給圧迫時に節電を即すデマンドレスポンス(需要応答)、太陽光発電と蓄電池との併用で、できるだけ日中に太陽光発電の電力消費を促し、夕方は電力消費削減をする、または昼間は蓄電し、夜間ピーク時に放電するという方法がある。実際、日中から夕方のピーク時までの電力消費を促す昼間割安、夜間割高の時間帯別電灯契約も考案されている。

今後日本で太陽光発電による供給が増加していくことを考えると、蓄電池の普及や電力消費の削減を今から進めておくことが重要だといえるだろう。

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文/モベヤン・ジュンコ

※「SOLAR JOURNAL vol.19」より転載

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