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専門家に聞いた! 日本に「垂直ソーラー」が必要な理由とは?

“太陽光発電は南向き設置”という常識を覆す「垂直ソーラー」。発電のピークをシフトすることで系統への負担を減らし、収益性の向上にも役立つ。新時代の「垂直ソーラー」のメリットを専門家に聞いた!

「垂直ソーラー」の専門チーム
日本市場向けに新会社を設立

日本で初めて垂直営農ソーラーを設置した「垂直ソーラー」の専門チームは去年6月、ルクサーソーラーから独立して、新会社のSuichoku Solarを創業した。ドイツの垂直設置型架台メーカー・Next2Sunのグループ企業として、ビジネスを本格化させる。「これまでの垂直ソーラープロジェクトで蓄積したノウハウを活かし、より日本市場に合った商品をフレキシブルに開発・販売するため、Next2Sunグループでビジネスを拡大させていきます」という、新会社の代表取締役であるウーヴェ・リーブシャー氏の言葉は力強い。 

Next2Sunは、ドイツで「垂直ソーラー」のシステムを開発したパイオニアだ。太陽光発電が急速に普及したドイツは、発電のピークが日中に集中しすぎて、新規の太陽光発電を系統に接続しにくいという課題に悩まされていた。そこで、同社は垂直設置型の架台を開発。両面発電モジュールを東西方向に設置することで、発電のピークを朝夕にシフトするソリューションを考案した。これによって、系統への負担を軽減するとともに、電力市場の価格が高い朝夕に発電のピークをシフトでき、収益性の向上にもつながったという。

電力市場の価格変動と同じように朝夕の発電量が増える


発電のピークを、電力市場の価格が高い朝夕にシフトすることで、収益性の向上を図る。

 

垂直ソーラーのメリット4つ
20年超の長期的な運用を重視

同様の課題を抱える日本にとっても、「垂直ソーラー」は新たな解決策になる。リーブシャー氏は、垂直ソーラーの4つのメリットを次のように話す。「1つ目のメリットは、発電のピークを電力市場の価格が高い朝夕にシフトすることによる、収益性の向上です。表裏の発電量がほぼ同等であるN型ヘテロ接合の両面発電モジュールを採用し、フレームレスにして、発電量を最大化しています。モジュールと架台の両方を最適化して、最大の効果を発揮できるように工夫しています」。

メリットの2つ目は、設置にあたって広いスペースを必要としないため、土地を有効活用できることだ。営農型発電では、モジュール同士の間隔を空けるなど調整することで、十分な日射量を確保できるため、対応する作物の種類も多いという。北海道ではソバの営農型プロジェクトを進行中で、ドイツでは豆類などの穀物も育てているという。

3つ目のメリットは、地面からの光の反射であるアルベド効果による発電量の向上が期待できる点だ。垂直設置のためモジュールへの積雪が少なく、東北地方などの豪雪地域でも効率よく発電できる。地面からモジュールまでの高さが1.5mという新商品の「Suichoku 1500」は、積雪の多い日本市場向けに特別開発した新製品だ。


アルベト効果による高い発電量。地面からの反射光や拡散光を受けやすく、発電量の増加に役立つ。実際に、積雪の前後で1日の発電量が38%アップしたという。

4つ目は、メンテナンス性が高い点だ。モジュールがフレームレスのため、降雨などで汚れが流れ落ちやすく、メンテナンス頻度を抑えるのに役立つ。

リーブシャー氏は、「これからの日本の太陽光発電は、PPAなどが主流になり、より長期的な運用が求められます。20年以上にわたって、安全かつ安心に使えるシステムの開発・販売を通じて、国内の太陽光発電の拡大に貢献していきたい」と力強く語った。

 

適地に合わせた
3つの製品モデル

営農型
Suichoku800(GL0.8mのシステム)

スタンダードな製品で、農地や田んぼのあぜ道などにも設置できるほどコンパクトだ。営農型では、耕作地への日射率を8~9割確保できるという。


積雪対応型
Suichoku1500(GL1.5mのシステム)

日本の豪雪地域向けに開発された、地面からモジュール下部までの高さが1.5mあるオリジナル製品。雪深い地域での営農型太陽光プロジェクトに最適だ。


住宅塀型
SuichokuOne(1枚のモジュールを垂直設置)

住宅や事務所、駐車場などの柵塀として設置できる新製品。風の強い九州地方でも安全に設置でき、効率的な自家消費に役立つ。

特許取得済み!
「Suichoku solar」の強み

あらゆる安全試験を実施
「構造設計」

ドイツでの風洞試験を踏まえて、経済産業省の産業保安監督部に都度確認をとりながら、第三者機関などと協力して強度計算を実施した。高い安全性が証明されている。

発電効率を上げる
「フレームレス」

モジュールの縁をあえてガラスのままにするフレームレスのデザインによって影をなくし、発電効率とメンテナンス性の向上を両立させた。

 

話を聞いたのはこの人!

Suichoku Solar株式会社
代表取締役

ウーヴェ・リーブシャー氏

問い合わせ


Suichoku Solar株式会社
神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目12-12 新横浜IKビル4階
info@suichoku-solar.com

PV EXPO【春】に出展!
ブース番号:E2-17


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

SOLAR JOURNAL vol.48(2024年冬号)より転載

Sponsored by Suichoku Solar株式会社

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