ペロブスカイト太陽電池、今月下旬に官民協議会を設立 導入目標を策定へ
2024/05/23
斎藤健経済産業相は5月21日の記者会見で、ペロブスカイト型太陽電池の導入拡大に向けて5月下旬に官民で協議会を設立すると発表した。メーカーや関係業界団体、自治体などが参加する予定だ。
曲がる太陽電池
少ない光量でも発電可能
ペロブスカイト太陽電池(出典 桐蔭横浜大学)
ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発明した日本発の技術。従来の太陽光パネルに比べて重さは100分の1。軽く、薄く、柔軟性があり、塗布も可能で、さらには少ない光量でも発電できるのが特徴。都市のビル壁面や、湾曲した部分、室内でも発電が可能となり、衣服で発電するなどこれまでになかった使い方により、発電の概念を変える最先端技術だ。
導入目標や価格目標を策定
官民連携で世界をリード
斎藤健経済産業相は5月21日の記者会見で、「世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力の強化を図るための総合的な戦略を策定するため、今月下旬から官民協議会を開催したいと思っています。官民協議会には有識者、メーカー、空港・鉄道、原材料、建設・不動産などの関係業界団体、あるいは再エネ導入に積極的に取り組む自治体など、幅広い官民の関係者に御参画いただければと思っています」と話した。
そのうえで斎藤氏は、導入目標や価格目標の策定、あるいは国内サプライチェーンの構築、需要の創出や、国際標準の策定など、海外市場の獲得に向けた対応などを検討していく考えを強調した。
ペロブスカイト太陽電池は日本発の技術でありながら、開発面では巨額の投資を受けた海外勢が先行している。斎藤氏は、「官民連携のもとで、世界に引けを取らない規模とスピードの両面で投資を実現し、次世代太陽電池の分野で世界をリードしていきたいと考えています」と述べ、国際競争力を高めることを目指す考えを強調した。
DATA
取材・文/高橋健一