政策・マーケット

空回りの再エネ主力電源化。原発停止損失の大嘘とは?

経産省は今年3月、長期エネルギー政策において、再生可能エネルギーを「主力電源にする」という文言を盛り込むことを明らかにした。ポジティブな話題として受け止められがちなこの政策を、再エネの達人・飯田氏が「空回り」だとするその理由とは?

勇壮な文言に彩られた
空回りの主力電源化

経済産業省は今年3月、2050年時点の長期エネルギー政策に、再生可能エネルギーを「主力電源にする」という文言を盛り込むことを明らかにしました。エネルギーに関して20世紀の頭しかないガラパゴスの経産省も、これだけ世界的に太陽光発電や風力発電が普及したため、さすがに主力電源と言わざるを得なくなったと考えられます。

しかし、よくよく中身を見てみると、頭にちょんまげを結ったまま文明開化を迎えた武士が、好奇心というより猜疑心いっぱいで欧米を視察するような、いかにも古い頭で物事を見ていることが透けて見えます。象徴的なのが、今でもバックアップ電源として火力発電を必要としていることです。しかも、ドイツやデンマークが再エネで成功したのは、大陸で他国と送電線がつながっているからなどという曲解までしている始末です。

海外の成功事例の根っこを全く理解しないまま、原子力発電を維持することも明言しています。依存度を下げると言いながら、2050年まで何とか原発を維持するための屁理屈をこねまわしています。これは安倍政権で見られる色々なキャッチフレーズにも共通しています。エネルギー政策実現に向けて「総力戦」「全方位対応」などの言葉を使いますが、見た目は勇壮でも中身は空回りなのです。

特に見逃せないのが、「脱炭素化の選択肢」として太陽光、風力の他に、高効率火力や原子力なども加えていたことです。さらに、脱炭素技術において水素ではトヨタとホンダで圧倒的シェアを握っている、などと臆面もなく主張しています。世界的に電気自動車(EV)がスタンダードになっていく時代に、こんなシェアは意味がありません。蓄電池ではパナソニックに配慮していますが、コストでも性能でもいずれ世界から相手にされなくなります。

いずれにしても、経産省が示したエネルギー政策は我田引水が過ぎます。日本は国際連系線がないからなどといって、ドイツとデンマークの批判に躍起になっています。しかし、東京と北海道で電力を融通していますし、日本は全国で送電網がつながっていますから、その理屈は通りません。

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