政策・マーケット

「エネルギーの地産地消へ」太陽光・蓄電池・バイオガスの3本柱で挑む

株式会社エジソンパワーは、太陽光・蓄電池・バイオガスの3事業に注力。ソーラーシェアリング、蓄電池による「再エネの平準化」、さらに木質バイオガスでは80%の超高効率化を実現するなど、各分野で先進的な取り組みを実践している。独自のノウハウや最先端技術について、山田敏雅社長に聞いた。

ソーラーシェアリングに注力
農業法人を立ち上げて本腰

当社は、創業以来一貫して、次世代の地球環境を守るために「エネルギーの地産地消」へ取り組んできました。当社のエネルギービジネスには、大きく分けて3本の柱があります。太陽光、蓄電池、バイオガスの3つです。

まず太陽光発電事業については、野立ての物件を40ヶ所手がけるなど、これまでは大規模メガソーラーを中心に取り組んできました。


エジソンパワー木更津工場

しかし、これからはメガソーラー市場は縮小していくだろうと予想しています。当社としても、もちろん事業は継続していくものの、以前ほどリソースを割くことはないでしょう。

太陽光発電の案件で、これから当社が力を入れていくのは「ソーラーシェアリング」。今月(編集部注:2018年10月取材)、千葉県で2MWのソーラーシェアリングに着工します。

当社のソーラーシェアリングは、大前提として「農業をしっかりやる」ことを重要視しています。

発電事業者がソーラーシェアリングを手掛けようとすると、どうしても太陽光発電にばかり目が行ってしまいがち。しかし、それでは野立ての物件と変わりません。

そうではなく、当社は、農地でしっかりと付加価値の高い作物をつくり、農業と太陽光発電の両面で収益を上げていくビジネスモデルを構築します。そのために「すみれ農園」という農業法人を立ち上げ、専任の社員も配置して、ソーラーシェアリング事業に取り組んでいきます。

「再エネの平準化」へ
蓄電池のノウハウ活用

これからのエネルギービジネスにおいて、キーワードとなってくるのが「再生可能エネルギーの平準化」です。周知の通り、電力は需要と供給のバランスが大事ですが、太陽光の発電量は天候に左右されるため、需給バランスを取るのが難しい。晴れた昼間に快調に発電していても、太陽の光が雲で遮られたら一気に発電量が落ちてしまいます。その安定しない発電量を「平準化」するために不可欠なのが、蓄電池です。

当社は、15年前から蓄電池事業に取り組んできました。当初は電気自動車ビジネスからスタートしましたが、その時からリチウムイオン電池のノウハウを着々と蓄積してきました。リチウムは、鉛蓄電池の5倍の蓄電容量があるなど、鉛にはできないことが可能です。

こうした蓄電池や、先ほど述べた太陽光発電の知見を活かして、当社は鹿児島県・徳之島の電力インフラ整備に携わりました。徳之島は、人口が3万人にも満たない小さな島ですが、そこに蓄電池を備えた2MWの太陽光発電所を建設しました。


徳之島に設置した2MWのメガソーラー発電所

徳之島のインフラ整備事業は、九州電力と提携し、約1年間かけて2015年3月に竣工しました。結果として、1分間に1%程度しか供給量が上下しない、きわめて高精度な発電所のシステムを作り上げることができました。


徳之島での竣工式の様子。写真左上に設置してあるのが蓄電池

離島の案件ではもうひとつ、沖縄県・石垣島でも事業を展開しています。島内には、カセット式の電動スクーターの充電ステーションがありますが、そこに当社が開発した蓄電池付き太陽光発電システムを納入しました。

充電ステーションの屋根上に、太陽光発電を設置。そこでつくった電力を、いったん電気自動車の使用済みバッテリーに回収して、有効利用する自家消費システムです。このプロジェクトをきっかけに、日産リーフの使用済み蓄電池を再利用する仕組みも構築しました。


石垣島の電動スクーター用の充電ステーション

また、風力発電にも、蓄電池は重要です。たとえば、北海道では風力発電が盛んですが、電力供給量を平準化するために、蓄電池も必ずセットで設置します。つい先日も、北海道電力の風力発電事業に、当社の蓄電池の採用が決まりました。

九州では太陽光発電の出力抑制が実施されるなど、これからは今まで以上に「再エネの平準化」が重要になります。当社は、蓄電池のノウハウをフル活用して、再エネの普及に貢献していきたいと考えています。

先進技術採用の木質バイオガス
変換効率80%の超高効率実現

3つ目の柱が、木質バイオガス。燃料となるチップを直接燃やして発電する「バイオマス」が名称としてよく知られていますが、「バイオガス」はさらに一歩進んだ技術で、チップを燃やさずに電気に変換します。

バイオマスとの大きな違いは、電気への変換効率の高さ。一般的なバイオマス発電の場合、チップを燃やして電気に変換する効率は20%程度です。しかし当社は、木質バイオガス先進国であるオーストリアの先端技術を採用することで、80%という超高効率を実現しました。詳しい説明はここでは割愛しますが、「チップを燃やさずにエネルギーを抽出する」木質バイオガス発電には、非常に高度な技術が必要となります。


先端技術を導入した木質バイオガス発電所

原料のチップ・ペレット供給のために、岩手県でバイオマスエネルギー利用の先駆けとなって活動していた、葛巻林業の事業を継承しました。現在は、主にチップ・ペレットの生産・販売を行っています。樹皮部分をペレットにする「バークペレット」の生産は難しいのですが、当社はこれも手がけています。

木質バイオガスは、これから伸びてくる分野。当社は、さらに5億円投資してペレット工場を拡充するなど、この事業にも力を入れていくつもりです。

株式会社エジソンパワー
代表取締役社長

山田 敏雅 氏

DATA

株式会社エジソンパワー

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