東北電力「出力制御の準備」訴え、来春には再エネ電力が需要の65%に
2018/12/10
12月7日、東北電力がホームページで「出力制御の準備」を訴えた。2019年のゴールデンウィークには、太陽光・風力の合計出力が、最大でエリア需要の65%に達する見通しだという。
出力制御の見通し
大手電力で5社め
東北電力は、12月7日、ホームページ上に「出力制御の準備に向けたお願い」を掲載。今秋、再生可能エネルギーの出力制御を実施した九州電力に続き、将来的には東北電力管内でも出力制御が行われる見通しを示した。
東北電力管内(東北6県・新潟エリア)では、再エネ発電設備の導入が急速に進み、2018年10月末時点で562万kWが接続済み(太陽光発電と風力発電の合計)だという。
再エネ発電は、天候によって発電量が左右される。東北電力管内では、現在のところは火力発電の抑制や、揚水発電の運転、地域間連系線による広域的な系統運用などにより、再エネ発電も含めた需給バランスを維持している。
だが将来的に、それらだけではバランスを取り切れず、供給力が需要を上回る可能性がある。東北電力の資料によると、2019年のゴールデンウィークにおける太陽光・風力の合計出力は、最大でエリア需要の65%に達する見通しだ。今年・2018年度の実績は、最大でエリア需要の54%で、再エネ比率は高まっている。
供給力が需要を上回る場合には、再エネ発電の出力制御を行う必要がある。そうした事態に備えて、東北電力は、出力制御に向けた準備を始めるよう訴えている。今回のリリースのほか、対象となる発電事業者に向けて、年明けからダイレクトメールを発送予定。なお、10kW未満の太陽光発電については、当面、出力制御の対象としない見込みだ。
再エネ発電の出力制御は、今年、九州電力が既に複数回実施。そのほか、現在までに出力制御の準備を呼びかけているのは、今回の東北電力に加えて、中国電力、四国電力、沖縄電力と、合計5社に及ぶ。このうち、原子力発電を稼働しているのは、四国電力(伊方発電所3号機)のみとなっている。