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「ポストFIT」をどう乗り切る? 足元の課題は過積載で解決!(後編)

「卒FIT」は事業用太陽光発電にも訪れる。10kW以上の事業用について、経産省がFITの一部を終了する検討を進めているからだ。事業者はどのように対応していけばいいのだろう。環境経営コンサルタントの村沢義久氏による連載コラム第7回(後編)。

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事業用太陽光発電も
卒FITへ進む

筆者は今回の家庭用卒FITの動向には注目している。事業用についても買取期間20年を過ぎれば卒FITを迎えるので、その先行事例として参考になるからだ。

これは、すでに稼働している案件についての話だが、新たな案件については経産省がその一部を終了させる方向で検討しているので対応を考えなければならない。2020年度中に関連法を改正し、大規模な事業用の太陽光発電などは競争入札制にする方針だという。

太陽光発電はFITのおかげで急速に成長し、単年度の導入量や累計でも日本は世界トップクラスに位置している。しかし、買取費用は電気料金に転嫁され、国民負担が増している弊害があるのでその対策も必要だ。

また、太陽光発電のコストも年々安くなっているので、FITから卒業して自立する条件も次第に整いつつある。とはいえ、同じ事業用でも低圧案件など小規模なものについては、まだしばらくはFITの継続が必要だろう。なぜなら低圧を運営する小規模事業者にとっては、入札に参加することが現実的ではないからだ。


事業者が取るべき対応は?

さて、太陽光事業者としては卒FIT対策の前に足元の課題に対応しなければならない。それは18円と14円の案件を推進することだ。パネルとパワコンのコストはFIT以上のペースで低下しているが、建設費などが下がらないため、以前のように利益を出すのが難しくなっている。

筆者自身、現在、18円案件(A案件)と14円案件(B案件)を同時に進めている。どちらも低圧(50kW未満)だが、収益性確保の切り札の1つが過積載。つまり、パワーコンディショナの定格出力を上回る容量のソーラーパネルを設置するというやり方だ。

過積載は
日照条件が悪いと威力を発揮!

ここで興味深いことは、過積載の効果は日照条件の悪い場合の方が大きいことだ。18円のA案件は近畿地方の山奥にあって日照条件が悪く、1kW当たりの年間発電量は1050kWh程度しかない。そのため、過積載しない場合は初期投資の回収に21年かかる。つまり、買取期間内の20年間では赤字だ。

そこで、担当のEPCが提案してきたのが、50kWのパワコンに対してパネルを89kW積むというもの(積載率178%)だ。積載率が178%だからといって、発電量も1.78倍になるというものではない。天気の良い日の正午前後には発電量が低格の50kWを超えてしまい、その超えた分がカットされてしまう(ピークカット)。

幸か不幸か、A案件のある地方では日照条件が悪く、正午前後でも発電量が低格の50kWを超すことがあまりなさそうだ。そのため、過積載の効果は大きくなり、筆者の試算では、10~11年で投資回収(IRRは6%前後)となった。これなら理想的ではないが、なんとかやって行けるレベルだろう。



もう1つのB案件の方は四国にあり、1kW当たりの年間発電量は1300kWh程度を見込める。ここでも当然過積載はやるのだが、日照条件が良いため、ピークカットの起こる頻度が高くなりそうなので、積載率はA案件より低くした方が良さそうだ。過積載をやれば、パネルの枚数が増えるのでコストも増大する。従って、発電量の増加による売電収入増がコスト増を上回らなければ意味はない。

最近では50kWのパワコンに対してパネルを150kW(積載率300%)まで設置するという例も聞いている。現状ではその効果は疑問だが、蓄電池のコストが大幅に下がってくれば、ピーク時に余った分を貯めておき、夕方や夜に売電して大きなメリットが得られるようになるだろう。

プロフィール

環境経営コンサルタント(合同会社 Xパワー代表)

村沢義久


東京大学工学修士。スタンフォード大学MBA。経営コンサルティング会社日本代表、ゴールドマンサックス証券バイスプレジデント(M&A担当)などを歴任の後、2005年から2010年まで東京大学特任教授。2010年から2013年3月まで同大学総長室アドバイザー。2013年4月から2016年3月まで立命館大学大学院客員教授。現在の活動の中心は太陽光発電と電気自動車の推進。Twitterは@murasawa。

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