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避けられない電動化 世界は続々とEV化戦略へ舵切り

自動車メーカー各社はEV化を見据えた戦略へと舵を切っている。改めて、世界の流れをカージャーナリストが解説する。

自動車を取り巻く環境が劇的に変化
EVは当たり前の時代に?

自動車の普及により、地球の環境は大きく変化した。便利にはなったが、それと引き換えにエンジンから出る有害物質が地球を汚してしまったのである。
21世紀、環境保全は急務となった。そこで燃費規制を強化し、地球温暖化の元凶となるCO2を抑え込もうと世界中が躍起になっている。
規制は年を追うごとに厳しさを増し、自動車の電動化は避けられない。ヨーロッパでは企業平均燃費規制を制定し、自動車メーカーにCO2の抑制を訴えている。

2015年のCO2排出量の規制値は130g/kmだった。が、2021年には89g/kmへと強化され、ハイブリッド車でも達成は至難の技だ。しかもCO2排出量が50g/km以下のものに対しては優遇措置をとったから開発に拍車がかかっている。中国でも2020年までの5年間にCO2排出量を27%も抑える高いハードルを求めた。インドも同様の規制を立ち上げようとしている。

世界一厳しいと言われるカリフォルニア州では1990年にZEV(ゼロ・エミッション・ビークル)法を導入した。その名の通り、排出ガスがゼロを目指した規制で、達成するためには電動化しかない。これはモーターを使ったEVや燃料電池を用いたFCVの時代になることを意味している。
電動化しないと対応できない排出ガスの規制強化により、自動車メーカー各社はEV化を見据えた戦略へと舵を切り始めた。

ヨーロッパはディーゼルエンジン搭載車でCO2削減を推し進めていたが、電動化しないと規制を乗り切れないため、プラグインハイブリッド車の発売に踏み切った。神話を築いたディーゼルエンジンだが、厳しい規制に苦しんで燃費不正の暴挙に出てしまった。

これが発覚したことによって主役の座をEVに奪われつつある。フォルクスワーゲン・アウディグループはいち早く電動化への戦力転換を表明した。メルセデス・ベンツもBMWも次の一手はFCVではなくEV戦略だ。他のヨーロッパ勢もジャーマンスリーに追随する形でEV、プラグインハイブリッド車、レンジエクステンダーの発売に踏み切るだろう。

7月、ボルボ・カーズは2019年以降に発売する全モデルに、EV、プラグインハイブリッド車などをラインナップすると発表し、電動化を将来の事業の中心に据える、と発表した。
排ガス対策に手こずっていたフランス勢も、電動化を推し進める方針を打ち出している。日本も、ヨーロッパ勢に遅れをとらないように動き出した。トヨタとホンダは燃料電池を第一としていたが、EV戦略に本腰を入れると発表し、日産も航続距離を大きく延ばせる新バッテリーを積んだ新型リーフを間もなく登場させる。

これから5年、自動車を取り巻く環境は大きく変わるだろう。エンジンの比重が減り、モーターとバッテリーの存在感が一気に大きくなるはずである。モーターやバッテリーにも革命が起き、性能も飛躍的に高められるだろう。


文/片岡英明

『SOLAR JOURNAL』vol.22より転載

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