太陽光発電

太陽光発電導入量トップ! 中国・米国・インドの2019年動向は?

2018年、太陽光発電の導入量トップ3に輝いた中国、米国、インド。今年はどんな成長が見込まれるのだろうか。資源総合システムの貝塚泉氏が、世界の再エネ情勢を読み解くコラム第4回(後編)。

前編:累積導入量TW(テラワット)時代も視野に!? 太陽光市場の現状と今後

 

2018年導入量世界1位の中国は
グリッドパリティ市場へ転換

2018年の導入量世界1位の中国では、フィードイン・タリフ(FIT)や分散型電源向けの補助金の減額が決定されているが、インセンティブを不要とするグリッドパリティ市場への転換が進んでいくと考えられる。2018年には、新規導入量(44GW)の45%を分散型が占めており、2019年も分散型の導入量が成長するものと考えられる。

中国国家発展改革委員会(NDRC)は、中・国家能源局(NEA)と連名で「風力発電、太陽光発電の補助金を利用しないグリッドパリティに関する行動の促進に関する通知」(発改能源【2019】19号)を2019年1月9日に公布し、補助金を受けない風力発電、太陽光発電プロジェクトの開発を奨励することを表明した。日射条件などが良好で、建設コストが低く、投資や市場環境が良好な地域は、すでに火力発電に対するグリッドパリティの実現条件を備えていることが背景にある。

米国は引き続き
民間企業の再エネ調達が活発化

中国に続いて導入量世界2位の米国では2018年の導入レベル(速報値約11GW)を維持して、2019年も11~13GWの導入が見込まれる。輸入太陽電池セル及びモジュールに関するセーフガード措置は継続するも、前述のように太陽電池モジュール価格が低下したためにその影響は限定的である。エネルギー情報局(EIA)によれば、2019年にACベースで8.2GWの太陽光発電システムの導入が予測されている。DCベースでは、約11GWの導入量になると試算される。企業による再生可能エネルギーによる電力の調達が活発化してきていることもプラスに働くと考えられる。

2018年にカリフォルニア州は、同州の再生可能エネルギー・ポートフォリオ基準(RPS)を改正して、再生可能エネルギー導入目標を2045年までに100%とした。2018年11月の中間選挙と同時に実施された州知事選においては、コロラド州やイリノイ州、ネバダ州などで100%再生可能エネルギーを支持する民主党系の州知事が当選しており、カリフォルニア州に続く動きが活発化していくと考えられる。意欲的な再生可能エネルギー導入目標を設定した州では、蓄電池を計画的に導入する取組みを始めており、再生可能エネルギーの導入に積極的な州においては同様の取組みが拡大していくものと考えられる。

民間企業による再エネ調達の動きも継続して活発化になると見込まれる。米・Microsoftや米・Facebookなど米国の100社以上の企業が加盟する米・Renewable Energy Buyers Alliance(REBA)は、2025年までに計60GWの再生可能エネルギー・システムから電力を購入する目標を掲げており、2013~2018年8月までに13GW超の再生可能エネルギーを調達している。目標達成に向けでは2019~2025年までの7年間に約6.5GW/年の再生可能エネルギー電力のPPA締結が必要とされており、民間企業が再エネを調達するための太陽光発電及び風力発電分野において増加していくと考えられる。

一時導入量が落ち込んだインド、
2019年は10GWレベルに回復か

世界での導入量3位の座を維持したインドでは、セーフガード措置により市場に不透明性が生じただけでなく、ルピーの下落の影響もあり、2018年の導入量は前年(9.9GW)を下回る約8GWであった。

しかし、屋根設置市場が堅調に成長し、入札において既に選定済みのプロジェクトが実施されることから、2019年は10GWレベルに回復する可能性がある。なお、2018年に実施された計40GWの入札の選定プロジェクトは2019年の後半から徐々に稼動開始するものの、大部分は2020年以降に本格稼動する見込みである。2019年も中国及びマレーシア製品に対するセーフガード措置は継続するものの、2018年に太陽電池価格が大きく低下したことで、その影響は限定的と考えられる。

ひとつ懸念となるのは、2019年春に予定されている5年に一度の総選挙(下院議員選挙)である。2018年11月~12月に実施された5つの州における州議会選挙においては、3州において与党であるインド人民党(BJP)が敗北を喫している。

経済成長を重視し、太陽光発電の普及を主導してきたモディ首相が続投できないような状況になると、太陽光発電市場に影響がでる可能性もあり得る。

文/資源総合システム 調査事業部 部長 貝塚泉

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