太陽光発電

世界太陽電池市場は100GWを維持。中国の抑制策による影響をカバーできた理由は?

2019年の世界の太陽光発電市場は、太陽電池ベースで100GW超えは確実である。2018年と同様に中国が最大の導入国となるが、中国以外の国々での導入が進展する見通しである。注目の今後の太陽光発電市場を追っていく。

世界市場は100GWを維持
その背景にある各国の動向とは?

本稿では、2018年の生産動向及び2019年の現況について概括する。2018年(1~12月、暦年)における世界の太陽電池生産量は表1に示すように、セル、モジュールともに年産110GWを突破した。

中国政府が2018年5月末発表した導入抑制策による影響が懸念されたが、中国の導入量が44GWに前年比減となるも、GWカントリー(年間導入量GW達成国)の増加や新興市場での導入量増、オーストラリア市場及びドイツ市場の成長等により、世界市場は100GWレベルを維持した。

これにより、太陽電池生産量も小幅ながら増加傾向を維持した。2018年末の太陽電池生産能力は、セル、モジュールともに2年連続で前年比30%以上増加し170GW/年を超えた。

表1 世界の太陽電池生産量・生産能力および太陽光発電システム導入量のまとめ(2018年)

出典:㈱資源総合システム調べ(一部推定)

表2  生産国・地域別の太陽電池生産量・生産能力および太陽光発電システム導入量(2018年)

出典:㈱資源総合システム調べ(一部推定)

2018年における生産国・地域別の太陽電池生産量は、表2および図1に示すように中国が年産80GW超で世界全体の約7割を占め、引き続き世界最大の生産地かつ消費地となっている。台湾では大手太陽電池メーカーの合併再編で、モジュール製造を拡大する動きが出てきている。

対欧米貿易摩擦による関税回避や新興市場向けとして、米国ではモジュール工場の新増設で生産能力は5GW/年に拡大、大手メーカーの国外工場が置かれている東南アジアを含むその他の国・地域での生産量はセル14GW、モジュール13GW、生産能力は20GW/年程度となった。

図1 太陽電池モジュール生産量の生産国・地域別比率(2018年)

出典:㈱資源総合システム調べ(一部推定)

<種類別の太陽電池モジュール生産量>

2018年における種類別太陽電池モジュール生産量を図2に示す。

図2 太陽電池モジュール生産量の種類別比率(2018年)

出典:㈱資源総合システム調べ(一部推定)

結晶シリコン系は前年比10%増の113GWで前年同様97%のシェアを維持した。このうち最も生産量が多かったのは多結晶製品で59GW・シェア50%となった。単結晶製品は、中国のトップランナー・プログラム等による市場での高効率化指向や、大手単結晶シリコン・ウエハー製造企業による供給量の増加および価格低下により生産量が54GWに増加し、シェアは47%に拡大し、多結晶製品と同レベルのシェアとなっている。薄膜太陽電池は、CdTeおよびCIGS系大手2社の生産が前年同水準に留まったため生産量は合計4GW、シェアは3%に留まった。

大手製造企業各社の生産能力拡張計画
今後の懸念とは?

2019年の世界の太陽光発電市場は、太陽電池ベースで100GW超えは確実である。2018年と同様に中国が最大の導入国となるが、中国以外の国々での導入が進展する見通しである。過去に実施された入札において選定されたプロジェクトの稼働期限や導入計画の進展などから107~129GWの新設容量が予測される。

2018年末の太陽電池生産能力は、セル、モジュールともに2年連続で前年比30%以上増加し170GW/年を超えた。大手製造企業各社では、2019年に更なる生産能力拡張を計画しており、今後の市場動向と各社の生産状況によっては供給過剰が懸念される。

年間生産量および出荷量が10GW超の企業が、今後複数登場することが予想される。生産能力は、当面は需要を上回っていることから太陽電池モジュールの価格は季節的な変動はあるものの安値安定化が当面継続すると考えられる。

 

参考文献

(株)資源総合システム
太陽光発電マーケット2019~市場レビュー・ビジネスモデル・将来見通し~(2019年7月)

 


文/資源総合システム 調査事業部 部長 貝塚泉、栗原理砂

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