太陽光発電

知らないと損する改正FIT基礎知識

再エネ普及の原動力となってきた固定価格買取制度(FIT)が、大きく生まれ変わる。抜本的に見直されたFIT法(改正FIT法)のポイントを探る。

系統への接続契約締結が
FIT認定の要件になる

新しいFIT認定制度における最大の変更ポイントは、電力会社との系統接続契約締結が、認定の要件になったことだ。これまではFIT認定取得後に電力会社への系統接続申込みをしていたが、新制度では順番が逆になる。系統接続契約が結ばれた後でないとFIT認定は得られない。

これは事業認定という考え方を具現化したもので、系統接続契約が結ばれている案件は事業実施の確実性が高いとの判断による。FIT認定を取得したにもかかわらず、事業実施に向かわず、権利の転売を図ろうとする事業者や、いわゆる「空押さえ」を防ぐことが目的だ。

 

「運転開始期限」を新設し
未稼働案件の発生を防ぐ

太陽光発電を対象に、「運転開始期限」が設けられることになった。これまでにはなかった新しい仕組みだ。ここでは、新FIT認定の取得日から、事業開始までの期間が問題とされる。具体的には次の通り。

●事業用太陽光:3年
●住宅用太陽光:1年

この期限を過ぎた場合には、事業用太陽光、住宅用太陽光それぞれに異なるペナルティーが課せられる。事業用太陽光の場合は、認定時の価格から買取価格を毎年一定割合(経産省例:年5%)下落させるか、買取期間を短縮させるなど。住宅用太陽光の場合は、認定の失効という厳しい内容だ。この制度は、新たな未稼働案件の発生を未然に防ぐことが目的とされる。

この制度には、厳しいペナルティーがある一方で、従来は望めなかった特典も用意されている。運転開始期限内であれば設備の変更をしても良いというものだ。これまではパネルを変えると、その時点のFIT価格で変更認定を受けなければならなかった。これからはパネルを変えてもFIT価格は変わらない。新しい安価なパネルを導入して、事業性を高めることも可能となる。

 

点検保守に基準を設け
違反時には認定取消も

新制度では、事業実施前の審査だけでなく、事業実施中の点検保守や、事業終了後の設備撤去も重視される。一定の遵守基準が定められ、違反時には認定取消もあるという。発電事業としての長期安定性を見据えた措置といえるだろう。現在、改正FIT法の新認定基準を踏まえて、構造物、電気設備、点検保守等に関する事業計画策定のためのガイドラインづくりが進められている。太陽光パネルが水没した場合の感電防止や、災害時のパネル飛散を防ぐための安全対策など、技術基準の整備についても検討が進んでいる。

発電設備の増加に伴い、土地利用に関する防災上の懸念や地域住民とのトラブルが生じているケースもあり、地域社会との共生という観点からも重視されるべき取組みだ。

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