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「リパワリング」で太陽光発電所の発電量低下を抑制する

パネルの経年劣化など、運転開始以後の発電量低下が避けられない太陽光発電所。FIT施行からまもなく丸9年を迎える今、発電所の能力を高める「リパワリング」が注目を浴びている。

経年した発電所でも
発電量は高められる

太陽光パネルメーカーが発電量の低下率を予め示した上で保証期間を定めているように、太陽光発電所は、経年による発電量の低下が避けられない。経年劣化を示す機器はパネルだけではない。など、いずれはメンテナンスが必要となってくる。

運転開始から10年を迎えると、パワーコンディショナの保証期間の終了が訪れるなど、機器メンテナンスを実施する頻度も高まる。オーバーホールという言葉を耳にした人もいるだろう。

そこで知っておきたいのが発電所の「リパワリング」だ。

リパワリングとは、各種機器をアップデートしたり、新たな機器を導入したりして、発電所の能力を高めること。運転中の太陽光発電所がリパワリングを行う一つのタイミングが、パワコンの保証期間が切れる10年目だ。

リパワリングの主な方法は
オプティマイザ設置やパワコンの交換

では、リパワリングとは実際に、どのように行うものなのか。

まず知っておきたいのが、パワコンの「新型モデルへの交換」だ。

パネルが生み出した電力をムダにしないよう、新しいモデルでは変換効率が高まっている。製品価格も下がっているため、思い切って新型へ交換するのは賢明な選択だ。パワコン冷却に使用している電力が抑えられるなど、変換効率の向上にとどまらないメリットも求められる。

また、影による発電ロスを最小化させる「オプティマイザ」の導入も、非常に有効なリパワリング方法だ。

買取価格が高く、初期コストを回収済みの案件であれば、影の影響を見逃しておいても気にならないかもしれない。しかし、発電ロスを最小化するオプティマイザを導入すれば、ロスしていた売電収入が手に入る。
パネルレベルのモニタリング機能が付随するオプティマイザであれば、パワコンレベルよりも格段に制度の高い遠隔監視によって、O&Mの効率化も実現できる。現状の監視システム

事実、オプティマイザによって発電量を数%以上アップできた事例は少なくない。費用対効果を考えた時、運転開始が早いFIT案件ほど、その効果が大きいといえるだろう。

リパワリングのメリットを
シミュレーションしてみよう

とはいえ、リパワリングにもコストが必要となる。

オプティマイザとパワーコンディショナのメーカーとして有名なソーラーエッジは、自社HPで簡単にリパワリングのメリットを確認できるシミュレーションを提供している。
FIT残存期間中にどれだけのメリットが手に入るのか、まずはシミュレーションから始めるのがよいだろう。

買取価格が高い案件であればあるほど、リパワリングのメリットは大きい。

10年目を一つの節目として、FITの買取期間だけで残り10年。
長期的に太陽光発電所の売電収入を高めるために、今からリパワリングを検討しておこう。

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