キリンHD、すべての国内工場にPPAモデル導入へ。合計11MW超で国内最大級に
2022/01/25
PPAモデルの大手企業への導入が進んでいる。キリンホールディングスは、国内のすべての工場へPPAモデルによる太陽光発電設備を導入すると発表した。同社は、2040年までに使用電力を再生可能エネルギー100%とする目標を掲げている。
(写真:2021年2月に太陽光発電設備を導入し、PPAモデルを行っているキリンビール名古屋工場。出典:キリンホールディングス株式会社)
国内の全9工場へ太陽光発電を導入
食品企業として日本最大級の11MW
PPAモデルとは、PPA事業者が需要家の敷地や建物の屋根上などに太陽光発電設備を設置し、そこで発電した電力を需要家に販売するものだ。太陽光発電設備の設置費用はPPA事業者が負担し、需要家は電気料金を含むサービス料金をPPA事業者へ支払う。
キリンホールディングスは、2021年2月からグループ会社のキリンビール国内工場へのPPAモデルの導入を進めてきた。同福岡工場へPPAモデル導入によって、国内の9工場すべてに太陽光発電設備を導入することになる。実質の稼働は2022年3月頃を予定しているという。12月27日に発表した。
これによって太陽光発電の導入量は11MWを超え、国内の食品企業としてはトップクラスの規模になるという。PPA事業者は、三菱商事エナジーソリューションズの子会社であるMCKBエネルギーサービスが務める。
2040年までに再エネ100%目標
トラッキング付非化石証書も活用
キリングループは2020年2月に「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、2040年までに使用電力を再生可能エネルギー100%とすることを目指している。2020年11月には、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来とすることをコミットする国際イニシアチブ・RE100に参加した。
また、キリンビール名古屋工場では環境価値を用いたCO2排出量削減を行っている。三菱商事パワーの太陽光発電所でつくられた環境価値をトラッキング付非化石証書として購入し、2021年から同名古屋工場が購入する電力を実質再生可能エネルギー100%としている。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)