英・ヘンリー王子が語る、アフリカへの恩返し
2017/07/13
スポーツ好きで陽気な性格から国民からの支持の厚い、英国のヘンリー王子。ボランティア活動にも熱心に取り組む彼が、アフリカを「どこよりも自分らしくいられる場所」と語るわけは?
傷心を癒やしてくれた
アフリカに恩返し
イギリスのヘンリー・オブ・ウェールズ王子、通称ハリー王子は、不仲な両親ともに愛人説が囁かれる中、1984年9月に誕生。8歳の時に両親の泥沼離婚を目の当たりにし、荒れるのは当然とばかりに、11歳の頃から喫煙や飲酒をしていたと言われている。
やんちゃな少年時代を送ったハリー王子だったが、三十路を過ぎた今は、慈善活動に熱心だった母親の遺志を継ぐかのようにボランティア活動に積極的に取り組んでいる。昨年8月には、アフリカで数週間に渡り、野生動物保護のための象の大移動を助ける活動をした。ハリー王子は、陸からだけでなく、ヘリコプターを操縦し、空からも支援を行い大活躍したと伝えられる。
TOWN&COUNTRY誌のインタビューでは、アフリカへの想いを語った。「アフリカに初めて来たのは、母を亡くした直後の1997年のことだった(ダイアナは、同年9月6日に事故死)。父が兄とぼくに、『荷造りをしなさい。このゴタゴタから逃れるために、私たちはアフリカに行く』と言ったんだ。兄とぼくは、アウトドアの生活に浸った。自然に囲まれた田舎での生活にとても感謝したよ。アフリカは、世界のどこよりも自分が自分らしくいられると感じる場所なんだ。アフリカにもっといたいと願っている。人々に気づかれず、そして、『最も地に足の付いた人々』とぼくが呼んでいる人たちがいるこの場所は、自分の出生を忘れることができる場所なんだ。自然のためならすべてを投げ出す人たちと話すことで、ぼくはいろいろなことを学んでいる」。
少年時代、ハリー王子の心の傷を癒やしてくれたアフリカ。アフリカで行うさまざまな慈善活動は、彼にとって無意識の恩返しとなっているのかもしれない。
プロフィール
ヘンリー王子
1984年、イギリス国王・ウェールズ公チャールズとダイアナ妃の次男として誕生。スポーツ好きで陽気な性格から、若者層からの支持も厚い。2006年には、エイズ撲滅を目的とする慈善団体「サンタバリー」を設立。慈善活動にも力を入れている。
文/はせがわいずみ
SOLAR JOURNAL vol.21(2017年春号より転載)