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JPEAが“エネルギー供給強靭化法”の制度設計に見解を表明。経過措置など

2020年6月に成立したエネルギー供給強靭化法の制度設計に対し、JPEAが7月30日、独自の見解を示した。同法にはFIT法の抜本的な見直しも含まれる。2022年4月の施行に向け、太陽光業界の意見や要望を国に届けた。

FIP制度では免除の特例廃止
リスクを緩和する経過措置を要望

「太陽光発電の主力電源化を目指して ~ 『再エネ型経済社会』への主体的な貢献 ~」と題されたエネルギー一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)の見解は、ポジションペーパー(立場表明書)の位置づけだ。7月17日に梶山経済産業大臣が示した『再エネ型経済社会』に賛同した上で、太陽光業界の意見を述べている。内容はFIP制度、地域活用電源、系統制約の克服、FIT認定後の失効措置の4つについてだ。

大規模事業用太陽光と風力発電を対象とするFIP(Feed-in-Premium)制度では、固定価格での買取がなくなり市場での売電価格にプレミアムが上乗せされる。同時に、これまで認められてきたFITインバランス特例が廃止される見込みだ。この特例は、発電事業者が発電量を予測し、実績値に近づける予測義務を免除するもの。多くの発電事業者にとって初の挑戦となる予測義務だが、精度の高い予測には経験やノウハウが必要だ。

JPEAはこの問題に対し経過措置を求めた。例えば、FIP制度への移行当初はインバランスリスクを緩和する措置を適用し、一定期間が経過したのちに解除することを提案。その際、インバランスを低減するインセンティブが働くような制度設計を要望した。

多様な自家消費モデルへの支援
アグリゲーターの重要性にも言及

自家消費を前提とした地域活用電源についてのJPEAの見解は次の通り。「当面は、家庭用太陽光も含めて FIT 制度での普及促進が必要」とした。その上で、法人需要家向けの第三者所有モデル(TPOモデル)や、オンサイト型自家消費モデルの普及促進を求めた。ほかにも、自家消費型PPA事業や低圧地上設置太陽光発電所を活用したコーポレート PPAへの支援も有効としている。

FIP制度と地域活用電源の双方の制度設計に関して、JPEAはアグリゲーターの重要性にも触れた。アグリゲーターとは、分散型の発電所の需給をとりまとめてコントロールする役割を担う。今回の法改正で、アグリゲーターは法律上の位置づけが新たに設けられることが決定している。

2022年4月に施行が予定されているエネルギー供給強靭化法は、詳細の検討がこれから大詰めを迎える。多くの太陽光事業者に関連する制度設計を、今後も注視したい。

DATA

“エネルギー供給強靭化法”の制度設計に向けたJPEAの見解について


文:山下幸恵(office SOTO)

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