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余剰電力のポテンシャル引き出す、アイ・グリッド・ソリューションズの新プロジェクト

今年1月、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが「仮想発電所 デジタル推進プロジェクト」を発表した。太陽光発電の電力購入契約(PPA)で発生する余剰電力の活用も視野に入れた、新サービスの内容とは?

分散型電源とデジタル技術で
脱炭素の推進を目指す

「仮想発電所 デジタル推進プロジェクト」は、太陽光発電所などの分散型電源とデジタル技術を活用し、脱炭素社会に貢献することを目的とする事業。今回発表されたのは(1)非FITの再エネ電力を家庭に供給する「スマ電CO2ゼロ」の提供開始 (2)「余剰電力循環モデル」の実現に貢献する余剰電力予測システムを開発 (3)「R・E・A・L New Energy Platform」構想――の3点だ。

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、2016年から家庭向けの電力供給サービス「スマ電®」を展開しており、その顧客は延べ15万世帯にのぼる。今回リリースされた(1)「スマ電CO2ゼロ」は、再生可能エネルギー指定の非化石証書を組み合わせ、実質再エネ100%かつCO2排出量ゼロを実現できる新サービスだ。今後、非FITの余剰電力を取り入れた供給も実施する予定だという。

予測が難しい余剰電力
AI活用し可能性を拓く

2020年7月、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、子会社の株式会社アイ・グリッド・ラボを設立した。AIやIoTを活用した分散型電源の統合制御技術を研究するためだ。電力需給の予測や遠隔制御の技術向上のため、同年10月には研究チームも発足している。

今回発表された(2)余剰電力予測システムの開発は、このアイ・グリッド・ラボの研究成果よるものだ。最新のデジタル技術を駆使した「発受電AI予測」を高度化し「余剰電力循環モデル」を実用化したという。

気象条件によって発電が左右される太陽光発電は、発電量の予測が困難だ。AIやIoTといった新技術で発電予測の精度が上がると、余剰電力量の算出も容易になる。的確な余剰電力量が予測できれば、直接のPPAで発生する余剰電力を取引するような新たなビジネスの誕生も期待されるだろう。

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズは、2017年に株式会社VPP Japanを設立し、太陽光発電所を軸とした分散型エネルギープラットフォームの開発を進めてきた。(3)「R・E・A・L New Energy Platform」構想では、EV充電器や蓄電池を利用して余剰電力をコントロールし、地域における再エネ活用の最適化を目指すとした。

DATA

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ プレスリリース


文:山下幸恵(office SOTO)

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