再エネ賦課金の2021年度単価が決定。再エネの自給自足に向け機運高まる
2021/04/01
再エネ賦課金はすべての需要家が電気料金の一部として負担し、最終的には再エネ発電事業者へと届けられる。日本の再エネ導入を支えた制度のひとつといえる。FIT制度の屋台骨である再エネ賦課金の2021年度単価が決まった。
再エネ賦課金はFIT買取費用に
2021年度単価は3.36円
固定価格買取(FIT)制度で買い取られた再エネ電気は、我々が普段使う電気の一部として供給されている。FIT制度を支えるのが、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)だ。
電気料金の一部として集められた再エネ賦課金は、FIT買取のための費用に充当される。すべての需要家が一律に負担した再エネ賦課金は、電力会社を通して、最終的には再エネ発電事業者に届く。再エネ賦課金の単価は、FIT買取単価や再エネ導入量などを踏まえて毎年見直しされる。
3月24日、2021年度の再エネ賦課金単価が決定した。経済産業省によると、1kWhあたり3.36円で、2021年5月検針分から2022年4月検針分の電気料金に適用される。1ヶ月の電力使用量が260kWhの家庭だと月額873円だ。
導入の黎明期支えたFIT制度
再エネは自らつくり使う時代へ
脱炭素化を目指す日本にとって再エネの導入拡大は重要な課題であり、FIT制度はこれに対して大きく貢献してきた。国際エネルギー機関(IEA)によれば、日本の再エネ導入容量は世界第6位、中でも太陽光発電の導入容量は中国、アメリカに続く世界第3位だ(2018年実績)。
一方で、再エネ賦課金による国民負担の増大も懸念されている。2021年度のFIT買取価格は約3.8兆円にのぼる見通しだ。そこで注目されているのが、FIT制度を使わず再エネを活用できる自家消費や自己託送制度だ。(参考『自家消費の次なる手段「自己託送」のメリット・デメリット』)
再エネ電気を自家消費や自己託送するメリットは、クリーンなエネルギー利用が増えることだけではない。自家消費や自己託送された電気には再エネ賦課金がかからず、需要家の電気料金にもプラスの影響があるといえる。再エネ電気を自身でつくって使う時代が到来している。
DATA
経済産業省:FIT制度における2021年度の買取価格・賦課金単価等を決定しました
文:山下幸恵(office SOTO)