ゼロエミッション東京をビジネスチャンスに!エネマネセミナーで始める「攻めの脱炭素」

脱炭素への対応は、事業者にとって「我慢の節電」なのか。エネルギー価格の変動が一層経営に大きな影響を及ぼす中で、エネルギーをどう調達し、どう使うかは、もはや単なる環境対策ではない。実は、事業者価値の向上に直結する経営課題である。そこで注目したいのが「エネルギーマネジメント」、いわゆるエネマネだ。

 

東京都がエネマネ関連事業に
力を入れる理由とは


出典:東京都 環境局

東京都は2050年のゼロエミッション東京の実現に向け、再生可能エネルギーの導入だけでなく、それを「賢く使う」ためのエネルギーマネジメント(エネマネ)にも力を入れている。事業者にとっては、東京都の手厚い支援を活用しながら、自社のエネルギー戦略を一歩先へ進めるチャンスでもある。

昨年2月に国が発表した第7次エネルギー基本計画によれば、2040年度におけるエネルギー需給の見通しでは、再生可能エネルギーの構成比が4~5割、うち太陽光が最大29%と、再エネの基幹エネルギー化が進むという分析がなされている。

また、東京は2050年代に目指す未来の姿を記した2050東京戦略において、「2035年までに再エネ電力利用割合を60%以上とすること」を目標とし、再エネの基幹エネルギー化を進めている。2026年度予算では、この分野に273億円(前年度比約50億円増)を計上。このうち、事業者向けのエネマネ関連事業には全体で約181億円となる予算を組んだ。

なぜ、東京都はこれほどエネマネを重視するのか。理由は、再エネならではの弱点にある。

導入すれば終わりではない
エネルギーをマネジメントするという視点

©Sandinashr/Shutterstock.com

電気は基本的に「使う量」(需要量)と「つくる量」(供給量)を一致させなければならない。このバランスが崩れると、大規模停電の恐れがあるからだ。ところが太陽光や風力は、天候や時間によって発電量が大きく変動する。

たとえば太陽光なら、晴れた昼間には大量に発電できても、その電気をそのまますべて使えるとは限らない。反対に、夕方から夜にかけて電力需要が高まるころには、太陽光の発電量は低下する。

つまり、再エネは導入すれば終わりではないのだ。発電量が多い時間帯には蓄電池にためる、設備を動かす時間をずらす、余った電力を別の場所で使うなどの調整があって初めて、再エネを無駄なく活用することができる。

再エネの導入拡大には、電力の貯留や出力時間の調整、余剰電力の融通といった「調整力」が不可欠なのだ。その調整力を需要家側から生み出すのがエネマネである。

「快適性を維持しつつ、賢くエネルギーを使う」
仕組みを創る

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ここで重要なのは、エネマネ=節電ではないということだ。東京都が描いているのは、もっと大きなロードマップである。

最初のステップは、自社でどのくらいエネルギーを使っているのかを「見える化」することだ。そこから次のステップでは、設備を最適に制御し、電力需給に応じて使用量を変化させるデマンドレスポンス(DR)へ進む。さらにその先は、建物や事業者の枠を超えて余剰電力を融通したり、複数の蓄電池や設備をまとめて制御して電力市場へ供出したりと、より一層の発展が可能となる。

東京都は、こうした取り組みを事業者単位から各地域、さらに東京都全体へと広げていくことで、エネルギー需給の最適化を目指している。

興味深いのは、東京都が目指すのが単なる節電ではなく、「快適性を維持しつつ、賢くエネルギーを使う」仕組みであることだ。

事業者から見れば、これは発想を変えるきっかけになる。電気代を減らすだけではなく、「いつ、どのように電気を使うか」までコントロールする。その能力自体が新たな事業者の価値になる可能性があるからだ。

 

エネマネ導入を後押しする
注目の2つの助成制度

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①需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業
エネマネを実践するにはシステムや設備への投資が必要になる。そこで活用したいのが、東京都の助成金による支援「需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業」だ。
2025年度に予算30億円の新規事業としてスタートしている。

蓄電池や蓄熱槽、再エネ発電設備などの導入を支援するにとどまらず、エネマネに取組む事業者や電力市場への供出を目指す事業者など、エネルギーマネジメントやアグリゲーションビジネスへの支援も充実させている。

さらに、電力需要が多いときに使用量を抑える「下げDR」だけでなく、再エネが余っている時間帯に電力需要を増やす「上げDR」に対応した取組も支援対象としている。
つまり、「まずエネルギーを見える化したい」という事業者から、「蓄電池などを活用して高度なエネルギーマネジメントに挑戦したい」「アグリゲーションビジネスに参入したい」という事業者まで、段階に応じて活用を検討できる制度なのである。

既にこの制度を活用し取り組みを進めている事業者は多数存在している。自社のエネルギーをどう活用し、そのためにどんな助成金や制度を活用できるか。まずは相談からでも気軽に問い合わせてみてほしい。

②地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業
もう一つチェックしておきたいのが、「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」である。これは、太陽光発電などでつくった再エネを、その場所や事業活動の中で有効活用する取り組みを後押しする制度だ。

都内設置では、地産地消型の再エネ発電設備や再エネ熱利用設備などに加え、一定の条件を満たす蓄電池の単独設置も対象となる。

選択肢は都内だけではない。都外(東京電力エリア内の神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県、茨城県、山梨県、静岡県<富士川以東>)に再エネ発電設備を設置し、そこで生み出した再エネの環境価値を都内の事業所で活用する事業を支援する制度も用意されている。敷地や建物の条件から都内で大規模な再エネ設備を導入することが難しい事業者にとっても、検討の余地がある仕組みだ。

太陽光で電気を「つくる」。蓄電池で「ためる」。エネルギーマネジメントシステム(EMS)で使用状況を把握しながら「賢く使う」。東京都の支援策を俯瞰すると、この一連の流れを事業者に実装しようとしていることが見えてくる。

9/3開催 エネマネセミナーで正しく知り、
賢く始める「攻めの脱炭素」

脱炭素のための設備投資には、当然ながらコストがかかる。しかし、その投資によってエネルギー使用量やピーク需要を抑えられれば、光熱費削減につながる。太陽光と蓄電池を組み合わせれば、再エネの自家消費率を高めることもできる。さらに高度なエネマネとして、自社設備をDRやアグリゲーションに活用するという選択肢も見えてくる。

9/3開催の東京都エネマネセミナーでは、脱炭素経営の始め方・進め方について徹底解説。ゲストによる脱炭素導入事例から、会社にあった助成金の紹介まで、脱炭素を進めるための有力な情報が集まる。

まずは自社のエネルギー使用状況を知る。そして、このセミナーで事例や助成制度を正しく知る。そうして賢く始めるエネマネこそが、脱炭素時代の「攻めの経営」への第一歩になるはずだ。


文/大根田 康介

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