編集部からのお知らせ

日独トップが語る 日本のO&Mの必要性や問題点は

世界のO&Mをリードする独・グリーンテック社のトップ、インゴ・レーマン氏をキャッチすることに成功。実は以前から親交があるというヨーロッパ・ソーラー・イノベーションの土肥氏との対談が実現した。

ソーラー発電プラント
成功の鍵は「O&M」にある

土肥 まず、O&M(オペレーション&メンテナンス)については、日本でまだまだ馴染みが薄いと言えるんだけれども、なぜ必要なのか、その辺りから聞かせてもらってもいいですか?

レーマン ヨーロッパでもドイツでも、実はソーラー発電ビジネスがスタートした時はO&Mの必要性は認識されていなかった。つまり、わからないままスタートしてしまったんです。しかし、徐々にソーラー発電プラントのメンテナンスが、実はフリーじゃないことがわかってきたり、プラント自体の技術レベルが上がってきたりして、同時にお客様の質や知識も上がってきたことで、O&Mの重要性が認識されるようになったんですね。「そもそも太陽光プラントとは何か」ということが、後からわかってきたという……。

土肥 ヨーロッパでは、EPCがビジネスパッケージの中に、オプションでO&Mを入れていたりするんですよね?

レーマン ええ。でもそこには、2つの問題点があります。一つは、EPCにとってO&Mはサイドビジネスになってしまって、会社としてマネジメントのリソースがないし、注力もできないということ。もう一つは、EPCにとって、最初の年は保証期間でもあるから、自分たちで作ったプラントを自分たちでチェックすることになる……つまりお客様に対して責任問題に矛盾が生じますよね。

土肥 グリーンテックがユニークなのは、O&Mのスペシャリストとして、中立的な立場、モジュールやEPCから距離を取ったインディペンデントな会社だというところですね。ちなみに、日本でO&Mというと、モニタリングに特化してしまっている傾向がある。スペシャリストとしては、もっと提供できるサービスがあるはずですよね?

レーマン モニタリングはO&Mの構成要素の一つでしかない。技術面の話では、モニタリングのほかにも、緊急時だけでなく恒常的なメンテナンス、プラントの保全・トラブルの予防もあるし、あとパフォーマンスの最大化などのコンサルティング……実に多様な側面があります。お客様は発電所の運営やトラブルシューティングなど、書類の提出や管理も必要ですよね? それらの代行や、役所への届出や報告なども包括的にやっています。

土肥 プロがチェックすることで、費用対効果=リターンを最大化するという側面もありますよね。

レーマン その通りです。同様にリスクを最小化するというミッションもありますね。推定できるトラブル時のさまざまなリスクを下げる、不確定要素を排除することによって「安定」を得ることができるんです。リスクについて具体的に言うと、例えば国ごとに違うとはいえ、電力とか発電所の運営には、必ず法規制が関わってくる。

それを守る義務も生じるはずですね。私たちは、法制度の面も含めて、太陽光のプロとして必要な関事項を、知識のないオーナー様でも安心して太陽光プラントを運営できる環境をお届けするわけです。

土肥 まさにソーラー発電プラントを成功させるために、今後日本でも、御社が展開しているO&Mは必須になってきそうですね。


ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション株式会社
☎045-228-9065
www.e-solar.co.jp


※SOLAR JOURNAL vol.10より転載

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 地域の合意形成を伴走支援 再エネ導入の新たなモデルに ~ 宮城県 再生可能エネルギー地域共生促進税条例を施行 ~...
  2. 【申込受付中!】12/10東京開催!「系統用蓄電池ビジネス」セミナー 蓄電所市場で勝ち抜くヒント...
  3. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  4. 【参加受付中!】2025年1月29日(水)「第32回PVビジネスセミナー」
  5. ハンファジャパンが新製品「Re.RISE-G3」を発売!トークショーにヒロミさんが登壇し一日アンバサダーに就任...
  6. 瓦屋根を再現したJackery社の太陽光パネルが2024年度グッドデザイン賞を受賞...
  7. 【産総研】世界初となるペロブスカイト太陽電池自動作製システムを開発‼ 開発スピードを飛躍的に向上できる...
  8. 専門家に聞いた! 日本に「垂直ソーラー」が必要な理由とは?
  9. 第7次エネルギー基本計画、年内に骨子案を固める 脱炭素電源の構成比率が焦点に...
  10. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.51 | ¥0
2024/10/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ