バイオマス

期待高まるバイオマス発電 課題解決への取り組み

近年、期待が高まっている、バイオマス発電。しかし、同時に燃料の安定調達という課題がある。バイオマス発電の促進と発展のためにどのように取り組んでいくべきか、バイオマス発電事業者協会の代表理事、山本さんに話を聞いた。

バイオマス発電への
高まる期待に応えるために

私ども一般社団法人バイオマス発電事業者協会は、昨年の11月25日に誕生したばかりの新しい団体です。バイオマス発電事業者を中心とする日本初の業界団体であり、11社の参画により設立に至りました。現在、正会員として発電事業者28社、賛助会員として関連事業者24社(燃料調達業者・プラントメーカー・林業関係者等)の入会が予定されています。

固定価格買取制度のもと、いま日本では、多くの事業者がバイオマス発電に取り組んでいます。2016年6月末時点で、約430件・設備容量376万kWが新規認定を受けています。しかし、実際に稼働しているのは、そのうちの5%、約57万kWに過ぎません。

一方で、国が掲げる長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)においては、2030年度時点で約600〜700万kWのバイオマス発電の導入が見込まれています(表参照)。この数字は、再生可能エネルギーのなかでも水力、太陽光に次ぐものであり(再エネ全体の約2割)、バイオマス発電への期待が大きいことが分かります。

バイオマス発電は、これから飛躍的に伸びていかなければならない電源なのです。しかし、産業としてはまだまだ黎明期にあり、解決していくべき課題も少なくありません。当協会は、こうした背景のもと、「バイオマス発電事業の促進とバイオマス産業の健全な発展を図り、持続可能な循環型社会の構築と地球環境保全の推進に寄与すること」を目的に設立されました。

国内外の材をバランスし
燃料の安定調達を図る

バイオマス発電は、同じ再生可能エネルギーでも太陽光や風力とは異なり、設備利用率が非常に高いことが特長です。安定的な発電が可能であり、ベースロード電源ともなり得るものです。同時に、発電にあたって燃料が必要になることも、他の再エネとは根本的に違うところです。そして、この燃料の安定調達こそが、バイオマス発電産業が直面する最大の課題でもあるのです。

バイオマス発電と一口にいっても、木質バイオマス、メタン発酵ガス、一般廃棄物など、その燃料は多岐にわたります。現時点では一般廃棄物が最大の比率となっていますが、エネルギーミックスに照らして考えると、木質バイオマスをより大きく伸ばしていかなければなりません。まずは会員各社で協調して、国内の林業をしっかりとサポートしていきたいと考えています。

しかし、木質バイオマスの国内調達には限りがあります。一定規模以上のバイオマス発電所を長期間安定的に稼働させるためには、輸入材をバランスよく併用していくことが必要です。輸入といっても、相手国は北米・カナダ・アジア各国・オーストラリア・ブラジルなど広範囲です。石油や石炭とは違って多様な調達ルートがありますから、エネルギーセキュリティ上の懸念はありません。

木質バイオマスの輸入に関しては、その国の森林が適切に守られているか、長期にわたった安定的な調達が可能なものになっているかも大切なテーマです。今後は、会員各社で情報を共有し、地球規模での持続可能性を考えた燃料調達に努めてまいります。

長期安定事業化に向けて
コスト低減に尽力

私は、木質バイオマス発電はエネルギーミックスを支える基幹電源であり、長期安定的な発電事業にならなければならないものと考えます。そのためには、発電コストを継続的に下げていく努力も不可欠です。燃料調達の安定・多様化による燃料コストの低減に加え、プラントメーカーの協力のもと、設備コストの低減にも努めてまいります。運転・管理に関する技術情報を共有し、設備稼働率の向上にも取り組んでまいります。

バイオマス発電事業者協会は、こうした課題に一丸となって取り組み、皆様に応援していただける業界になれるよう尽力してまいります。ご指導ご支援のほど、よろしくお願いいたします。


一般社団法人 バイオマス発電事業者協会 代表理事
山本毅嗣氏

1990年丸紅株式会社入社、電力事業に従事。2012~2014年英国の洋上風力工事会社シージャックス社会長を務める。現在は、丸紅株式会社国内電力プロジェクト部副部長。2016年11月協会発足とともに代表理事に就任。


取材・文/廣町公則

※『SOLAR JOURNAL vol.20』より転載

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