太陽光イベント

1000人規模のステージを動かす! アースデイ東京で実証されたポータブル電源「Jackery」の実力

ポータブル電源の性能向上によって、再生可能エネルギーを活用したイベント運営が現実的な選択肢となりつつある。その象徴的な事例となったのが、2026年4月に開催された「アースデイ東京2026」だ。30年近くにわたり再エネとイベント運営を結び付けてきた関係者たちの挑戦がある。そして、その長年の取り組みを大きく前進させたのが、Jackeryのポータブル電源だった。

 

<目次>
1.アースデイ東京が示した 再エネイベントの現在地
2.Jackeryが切り開いた 新たな可能性とは?

 

アースデイ東京が示した
再エネイベントの現在地

 


 毎年4月に東京・代々木公園で開催される環境イベント「アースデイ東京」。環境問題や持続可能な社会について考える場として知られる同イベントでは近年、会場運営そのものを再生可能エネルギーで支える取り組みが進んでいる。

 2026年の今回、音楽ステージや出展ブースの電力供給に大規模なポータブル電源システムを導入。再生可能エネルギーによるイベント運営の新たな可能性を示した。アースデイ東京の運営に携わる鈴木幸一氏(アースガーデン代表)によると、「再エネを活用したイベント運営の歴史は1990年代までさかのぼる」という。

 当時、英国の大型音楽フェス「グラストンベリー・フェスティバル」では、すでに風力発電や太陽光発電を活用したステージ運営が行われていた。日本でも1990年代後半から一部の音楽フェスで太陽光発電の利用が始まり、2000年代にはフジロックフェスティバルのアバロンステージなどで再エネ活用が進んだ。

 しかし、当時は現在のようなポータブル電源は存在せず、大型バッテリーやインバーターを自作しながら運用する時代だった。さらに2000年代半ばにはバイオディーゼル発電が普及し、2011年3月の東日本大震災以降は再エネや蓄電池への関心が急速に高まったことで、イベント業界でも、武道館公演を再エネで実施し、さらに野外フェスで大成功した「THE SOLAR BUDOKAN」などで再エネ活用の機運が本格化していった。

 そうした流れの次の転換点ともいえるのが、今回のアースデイ東京である。
 会場では、米企業Jackeryの大容量ポータブル電源を活用し、約1000人規模のアコースティックステージを運営。メインステージでは「5000Whの大容量モデルを5台使用したが、電力面での不安はほとんどなく、十分な余力を残したまま運用できた」と鈴木氏は振り返る。

 


ステージ脇に設置されたJackeryのポータブル電源

 
 さらに、会場内では出展ブースの一部にもポータブル電源を導入。全体で約70台のJackery製品が活用され、バイオディーゼル発電機による充電と組み合わせながら電力供給を行った。従来であれば大型の業務用蓄電池や複数台の発電機と広範囲な電源工事が必要だった規模の運営が、ポータブル電源によって飛躍的に効率的な運用が可能となったのである。

 鈴木氏は、「今回の成果によって今後は1000人規模のバンドステージや、より大規模なイベントへの応用も視野に入ってきた」と話す。また自治体が開催するエコイベントや防災フェアなどであれば、必ずしも業務用機器を使用せずとも、手軽に十分な再エネ運営が可能だとしている。

 

Jackeryが切り開いた
新たな可能性とは?

 


 
再エネ電力で運営されるアースデイ東京のステージ

こうした変化を支えているのが、近年急速に進化したポータブル電源市場である。

Jackery日本法人で今回のイベントを担当した鈴木達也氏によると、同社は「以前から環境イベントや音楽イベントへの電力供給を支援してきた。アースデイ東京との取り組みも、数年前からサブステージの音響設備をポータブル電源のみで稼働させる実証から始まった」という。

その後、運用ノウハウを蓄積しながら規模を拡大し、2026年にはメインステージを含めた音楽ステージの電源をバッテリーで賄うオフグリッド運営を実現した。

今回の中核を担ったのは、ポータブル電源では同社最大級のモデル「Jackery 5000 Plus」とポータルソーラーパネル「Jackery SolarSaga 200」だ。5000Whクラスの大容量を持ち、拡張バッテリーによる容量増設にも対応する。イベント用途だけでなく、住宅向けバックアップ電源としても活用できる設計となっている。

同社の鈴木氏が強調するのは、単なる大容量化だけではない。音楽イベントでは電源の品質が極めて重要になるが、Jackeryは家庭用コンセントに近い高品質な「純正弦波」出力を実現している。音響関係者から「音が良い」と評価される背景には、安定した電力供給によってノイズの少ない環境を実現できることがある。

また、定格出力を超える瞬間的な電力需要にも対応できるため、音響設備や照明機器などの運用にも適している。実際、イベント現場では運営本部や小規模ステージを中心にポータブル電源の活用が一般化しつつあり、「電源ケーブルを長距離引き回すよりポータブル電源を置いた方が早い」という現場の声も高まったいる。

近年は、卒FITを迎えた住宅所有者を中心に、自家消費用の蓄電設備としてポータブル電源への関心が高まっている。住宅用蓄電池に比べて導入しやすく、持ち運びも可能なことから、防災需要も含めて市場は拡大している。

再エネによるイベント運営は、かつては一部の技術者や愛好家が試行錯誤を重ねながら実現していた実験的な取り組みだった。しかし、ポータブル電源の進化によって状況は大きく変わった。

アースデイ東京で実証されたのは、再エネによるイベント運営が特別な挑戦ではなく、現実的な選択肢になったことである。音楽ステージから地域イベント、防災フェア、自宅での利用まで、その活用範囲は着実に広がっている。
 

DATA

文章/大根田 康介
写真提供/須古 恵

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