小型風車の新定番? ダリウス型がやってくる!
2017/07/18
ダリウス型風車は
音が静かで乱流に強い
現在、日本で設置されている風車は、その大半がプロペラ型風車である。プロペラ型風車は高速回転に優れた特性をもつ反面、首振り運動にともなう効率ロスや乱流への対応、騒音問題など、いくつかの課題が指摘されている。
その点、ダリウス型風車は、風の向きを選ばないため乱流に強く、強風時でも大きな騒音を出さないという。そのため、風向きが安定しない地域や都市近郊部でも比較的容易に設置することができる。さらに、一般的なプロペラ型風車より、設置コストが安く済むというメリットも有している。
Chava Wind 社(CEO Hagen Ruff写真左)とLooop(代表取締役中村創一郎写真右)による調印の様子
Looopが販売を予定する「Windleaf2500」は、日本のFIT(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)において小型風力発電区分に納まるギリギリの規模=出力19.9kWとなっている。FIT買取価格が、他の電源に比べて高めに設定(2017年度55円/1kWh)されているクラスでもあるだけに、新タイプの製品には多方面から関心が寄せられている。
Windleaf2500製品概要(予定)
・最大耐風速77m/s
・ブレード数3
・高さ約30m(ブレード含む全高)
・タワー油圧式可倒タワー
・定格出力19.9kW
・定格風速11m/s
Looopでは、日本の小型風力において「プロペラ型は頭打ち」になってくると考えており、ダリウス型の普及に本腰を入れていく構え。同時に、「Chava Wind社との資本業務提携を皮切りに、様々な環境に風力発電設備を導入し、太陽光発電設備に続くものとして再生可能エネルギーの最大普及を目指していく」としている。
取材・文/廣町公則