黒潮がエネルギー?世界初の海流発電の実証試験完了
2017/11/24
船舶の航行も妨げない
海流発電の技術
水中浮遊式海流発電システムは、海底に設置したシンカーから浮体式発電装置を海中に係留し、海流の流れによってタービン水車を回転させることで発電する仕組みだ。海底から係留して海中に浮遊させることで、1000m級の深い水域での設置でも対応できる。また、波浪の影響を受けずに安定して運用することができ、船舶の航行に支障をきたすことなく、設置可能海域を広く設定することが可能だ。
左右2基の水中タービン水車を互いに逆方向に回転させることで、タービンの回転に伴う回転トルクを相殺し、海中で安定した姿勢を保つことができる。そして、メンテナンス時は浮力を調整し、海上に浮上させて設備修理を行う。
IHIは、2011年度からNEDOの委託を受けて「海洋エネルギー技術研究開発-次世代海洋エネルギー発電技術研究開発(水中浮遊式海流発電)」の研究開発を実施してきた。同社は、この実証実験による検証を踏まえて、2020年の水中浮遊式海流発電システム実用化を目指している。
100kW級実証機「かいりゅう」規格
・定格発電出力定格発電出力:約100kW(50kW×2基)
・タービン直径:約11m
・浮体長さ:約20m 幅:約20m
・定格流速:1.5m/秒(3ノット)
・浮遊深度:約30m~50m