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大規模な木質バイオマス発電所の新設は難しいのか?

小規模設備はこれからが本番
ポイントは地域貢献

こうした状況にあって、注目が高まっているのが、海外の燃料材に依存しない小規模のバイオマス発電だ。なかでも未利用木材を燃料とするものであれば、FIT区分上も優遇されるので、事業性も期待できる。一般木材は規模に関わらず24円/kWhであるのに対し、未利用木材で2000kW未満なら40円/kWhでの売電が可能となる。

一方で、ここには、燃料となる未利用木材を安定的に調達しなければならないという難しさがある。しかし、大場氏は言う。

「確かに燃料の調達は難しい問題です。太陽光発電など他の再生可能エネルギーとは、そこが根本的に違うところ。しかし、燃料調達が必要であるからこそ、木質バイオマスは、他の再エネにはできない地域貢献をすることもできるのです。これまで使い途のなかった未利用木材に燃料という商品価値を与え、林業を豊かにすることにも役立ちます。木材を燃料チップなどに加工するために、新たな雇用も生まれます。森林が整備され、仕事も生まれれば、地域社会は変わるでしょう。バイオマス発電の燃料調達は、それが地域に与える影響とともに考えていかなければなりません」(大場氏)。

そもそも木質バイオマス発電の燃料となる木材は、建材などに使われる良質なものではない。FIT区分上の未利用木材とは、切り倒されたまま山に放置されていた間伐材などを指す。木質バイオマス発電のためにいたずらに山の木を切り倒すわけではない。木質バイオマス発電は、森林を整備し、山を育てることに通じる営みなのだ。

 

Profile

大場龍夫

森のエネルギー研究所 代表取締役


取材・文/廣町公則

『SOLAR JOURNAL』vol.23より転載

 

 

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