編集部からのお知らせ

2030年までに再エネ50%なるか?米国の太陽光「入札」制度の現状

米国では、太陽光発電が、特別な助成を使わず従来の発電所と同じように「卸電力入札制度」に参加し、次々と新設されるようになった。今回は、公募参加者数で価格が変わる小規模電源向けReMATについて説明する。

前記事:米国の太陽光発電入札制度「RAM」が画期的すぎる!

公募参加者数で価格が変わる
小規模電源向けReMAT

3つ目は固定価格買取制度に似た再生可能市場適応料金「ReMAT( Renewable Market Adjusting Tariff)」と呼ばれるもので、このプログラムの対象になるのは、配線網に接続される3MW未満の小規模分電源である。大規模プロジェクト契約を対象とする競争入札の代わりに、CPUCが買取価格をあらかじめ設定し、その固定価格で採算が取れると思われるプロジェクトがプログラムに応募する。2ヶ月ごとに電力会社別に公募が行われ、合計の公募容量は494MWである。

ReMATの価格設定は「市場適応」という仕組みになっている。ReMATが開始されたのは2013年10月で、その時の太陽光発電の固定買取価格は89ドル/MWh(8 .9セント/kWh)であった。もし、公募で募集容量の20%以上が満たされなかった場合、次の公募での価格は4ドル/MW h増しとなり、公募で募集容量の100%を超えた場合、次の公募での価格は4ドル/MWh下がる仕組みである。

応募容量が公募容量の20%以上100%未満の場合、同価格が保たれる。ちなみに、カリフォルニア州の電力会社の1つであるサザンカリフォルニアエジソン(SCE)の近日の公募価格は36ドル/MWh(3.7セント/kWh)ということから、公募の参加がポジティブで、太陽光発電の市場価格低下が大きく反映されていることがわかる。

CPUCによると、2002 年から2016年の14年間に435件のRPS用電力購入契約を承認し、その契約承認容量は23.6GWの再生可能エネルギーになる。うち、太陽光発電は全体の39%を占める。実際、カリフォルニア州は2016年時点で既に再エネ35%を達成しており、「2030までに50%」の目標に向けて確実に前進している。


文/モベヤン・ジュンコ

SOLAR JOURNAL vol.24より転載

関連記事

2018/03/14 | 編集部からのお知らせ

2017年の太陽光入札が低調に終わった理由とは?

2018/02/27 | 編集部からのお知らせ

2018年度も注目の太陽光発電「入札制度」とは?

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【飯田さんコラム】新築住宅への太陽光発電設置義務化。東京都から全国へ広がる動き...
  2. 東京都の「太陽光義務化」2年間の準備期間を経て2025年春動き出す
  3. 【参加受付中!】2025年6月10日(火)「第34回PVビジネスセミナー」
  4. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  5. EPCの設計者必見! 蓄電池併設のFIP転やPPA「DCリンク」で収益を向上させる方法...
  6. 『SOLAR JOURNAL』“蓄電池ビジネス”特集号 5/27発行!
  7. EMS関連の国内市場 2040年にかけ中小規模の施設でも導入拡大へ
  8. 【EMS専門家が監修】系統用蓄電池のビジネスモデル、他社に差をつけるためのEMSの基礎知識...
  9. HUAWEI 新型蓄電システム、3機種を一挙公開 産業用・住宅用ともに「安全性」を徹底追求...
  10. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

蓄電池特集号 | ¥0
2025/5/27発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ