2030年までに再エネ50%なるか?米国の太陽光「入札」制度の現状
2018/03/13
米国では、太陽光発電が、特別な助成を使わず従来の発電所と同じように「卸電力入札制度」に参加し、次々と新設されるようになった。今回は、公募参加者数で価格が変わる小規模電源向けReMATについて説明する。
公募参加者数で価格が変わる
小規模電源向けReMAT
3つ目は固定価格買取制度に似た再生可能市場適応料金「ReMAT( Renewable Market Adjusting Tariff)」と呼ばれるもので、このプログラムの対象になるのは、配線網に接続される3MW未満の小規模分電源である。大規模プロジェクト契約を対象とする競争入札の代わりに、CPUCが買取価格をあらかじめ設定し、その固定価格で採算が取れると思われるプロジェクトがプログラムに応募する。2ヶ月ごとに電力会社別に公募が行われ、合計の公募容量は494MWである。
ReMATの価格設定は「市場適応」という仕組みになっている。ReMATが開始されたのは2013年10月で、その時の太陽光発電の固定買取価格は89ドル/MWh(8 .9セント/kWh)であった。もし、公募で募集容量の20%以上が満たされなかった場合、次の公募での価格は4ドル/MW h増しとなり、公募で募集容量の100%を超えた場合、次の公募での価格は4ドル/MWh下がる仕組みである。
応募容量が公募容量の20%以上100%未満の場合、同価格が保たれる。ちなみに、カリフォルニア州の電力会社の1つであるサザンカリフォルニアエジソン(SCE)の近日の公募価格は36ドル/MWh(3.7セント/kWh)ということから、公募の参加がポジティブで、太陽光発電の市場価格低下が大きく反映されていることがわかる。
CPUCによると、2002 年から2016年の14年間に435件のRPS用電力購入契約を承認し、その契約承認容量は23.6GWの再生可能エネルギーになる。うち、太陽光発電は全体の39%を占める。実際、カリフォルニア州は2016年時点で既に再エネ35%を達成しており、「2030までに50%」の目標に向けて確実に前進している。
文/モベヤン・ジュンコ
SOLAR JOURNAL vol.24より転載