編集部からのお知らせ

産業用燃料電池市場に、あのブラザーが新規参入!

2015年のパリ協定締結以降、世界中の様々な企業が、CO2フリー社会の実現に向けて取り組みを始めている。ミシンやプリンターなどで有名なブラザー工業も、燃料電池の受注を開始した。

脱炭素社会の実現に貢献する
燃料電池4.4kWモデル受注開始

世界規模で進む、温室効果ガス排出ゼロに向けた取り組み。日本でもCO2排出量を、2030年度に2013年度比-26.0%にすることを目指している。

近年、CO2を排出せずに発電できる水素活用への期待が高まっているが、現状では燃料電池車やエネファームのような家庭用燃料電池コージェネレーションシステムなど、限られた分野での活用に留まっている。今後の普及の広がりには、産業分野での活用が不可欠だ。

家庭用・工業用ミシンやプリンター、複合機などの大手企業でもあるブラザー工業は、産業・商用施設向け燃料電池市場に正式参入。第一弾として出力4.4kWの燃料電池「BFC4-5000-DC380V」の受注を開始した。

従来の燃料電池をさらに改良
その特長は?

まず、特筆すべきは高い安全性。万が一、燃料電池内で水素が漏れても、水素センサーや圧力センサーで検知して水素を遮断、換気して水素をためないという3重の安全構造を採用。燃料電池の外へ水素を漏らさない。

また、水素と酸素が反応すると、水と電気が発生する。しかし燃料電池の性質上、水素の何割かは反応しきれず、反応しきれなかった水素は水と一緒に排出される。しかし、ブラザーの燃料電池は、水素と水が混在した状態から水素のみ取り出して再利用することで、より効率の良い発電が可能になる。この気液分離と水素循環システムにより、次の3つのメリットが得られる。

水素循環システム

 

1.ハイパワー
同じサイズの燃料電池と比較して、2倍の電流量を発電することが可能。

2.安定した発電
災害時などでは電力復旧に72時間かかるといわれているが、長時間にわたり安定して発電することができるため、非常用電源として有効。

3.応答の速さ(高い負荷追従性)
電力消費の高いモーターなどを稼働し、急激に電力消費量が上がった場合でも、蓄電池不要で素早く応答し、電力を供給することができる。

さらに、IoTを使ったモニタリングサービスにより、遠隔地から燃料状況や発電状況などを把握することができる。IoTが導入されていない既存の発電機と比べ、維持・管理の負担を軽減できる。

「脱炭素社会・水素社会の実現」という大きな目標に向けて、最新の燃料電池を開発したブラザー工業。2018年度中に第2弾製品の発表を予定している。

問い合わせ

ブラザー工業株式会社

関連記事

環境省

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【参加受付中!】2025年6月10日(火)「第34回PVビジネスセミナー」
  2. 積水化学工業がペロブスカイトを量産化! 2030年にはGW級の製造ライン構築を目指す...
  3. カスタマイズが容易で短納期! IEC規格に準拠した「ベース一体型受変電盤」...
  4. 安全・安心でダウンタイムのない発電所のために。気象情報と稼働状況をAIが予測し一次対応を軽減...
  5. EPCの設計者必見! 蓄電池併設のFIP転やPPA「DCリンク」で収益を向上させる方法...
  6. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
  7. 東京都の「優れた機能性を有するシステム」に認定! AIKOのABCモジュール
  8. 【EMS専門家が監修】系統用蓄電池のビジネスモデル、他社に差をつけるためのEMSの基礎知識...
  9. HUAWEI 新型蓄電システム、3機種を一挙公開 産業用・住宅用ともに「安全性」を徹底追求...
  10. Sigenergyのハイブリッドパワコンを活用した、高過積載と蓄電池システムの新スキーム...
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

蓄電池特集号 | ¥0
2025/5/27発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ