太陽光発電所を”最適化”する設計方法は? BOSコストの削減も可能
2019/01/29
影のかかる土地や起伏のある場所に発電所を建設する際、パネルごとに発電量が異なることがネックとなり、ポテンシャルを最大化できない場合がある。オプティマイザやマキシマイザなどの「次世代パワエレ」なら、その状況を打開できる。
ストリングレベル・モジュールレベルでの発電最適化を実現する、パワーエレクトロニクスのこと。影の影響を抑えることやモニタリング精度を高めることができ、発電量UP・発電ロス低減につながる。海外では導入が進み、日本での導入案件も徐々に増えている。
設計自由度を高めることで
発電所にプラスをもたらす
パネルやパワコンの性能が著しい進化を遂げた今、注目したいのがオプティマイザをはじめとする「次世代パワエレ」だ。「発電ミスマッチを補正するオプションだろう」くらいにお考えの方もいるかもしれないが、侮るなかれ。そのメリットは”マイナスを埋める”だけにとどまらない。特に知っておきたいのが、”設計が変わる”ということ。
たとえば、影が落ちる箇所にパネルを設置しても、条件によってはコスト回収が難しい場合がある。しかし、次世代パワエレを活用すれば、影の影響を最小限に抑えられるため、パネルを設置してもコストメリットが生まれる可能性がある。そうすれば、発電所全体の設計が変わってくるだろう。
発電所のポテンシャルを最大化することが次世代パワエレの本領なのだ。
次世代パワエレ活用による
設計変更の簡易イメージ
影の影響を恐れない設計
<通常の発電所>
影がかかるパネルの影響で他のパネルの発電量まで下がってしまうため、パネル設置を諦めなければならない場合も。
<次世代パワエレ活用>
他のパネルへの影響を最小限に抑えられるため、影がかかる場所にもパネルを設置できる!
BOSコストを抑えた設計
<通常の発電所>
接続箱ごとにパワコンまでケーブルが伸びている設計。
<次世代パワエレ活用>
接続箱の数とケーブルの長さを削減。それぞれの施工コストも同時に削減できる。
SOLAR JOURNAL vol.27(2018年秋号)より転載