編集部からのお知らせ

水上ソーラーに注目! 全国21万ヶ所・フラットで造成不要

太陽光発電の適地が減少する中、大きなポテンシャルを秘める水上ソーラーが注目を浴びている。環境コンサルタントの村沢義久氏が、その可能性を探った。

太陽光発電に適した用地の確保が次第に難しくなってきている。筆者は、適地を探して、南は九州の福岡・大分から、北は福島・仙台まで駆け回っている。結論は、使えるスペースは全て使え、というもの。最初に目を付けたのは農地および耕作放棄地で、筆者自身ソーラーシェアリングを実施している。しかし、太陽光発電に使える“スペース”は土地に限らない。今注目されているのが「水面」だ。



徳島に出現した
「ため池メガソーラー」

ため池メガソーラー(徳島県阿波市、出力1568kW)。出所:筆者撮影

昨年末、帰省中の故郷徳島県で新規案件向けの土地探しを行った。地元の仲間からいくつか紹介されたのだが、土地代が高すぎる。モジュールとパワコンは買取価格低下以上のペースで下がっているのだが、地上設置が可能な適地は減少し続け、土地の購入価格や賃料はむしろ上昇中。

ブームの終わらない太陽光発電に対し残り少ない適地。地主さんたちも強気になっているようだ。買取価格が40~36円の時代より高い価格を提示してくるから、18~14円でやっていくには、十分な利益の確保が難しい。日本はヨーロッパなどに比べて日照条件などははるかに良いのだが、狭い国土の悲しさ。

年が明けて1月3日、地元の新聞に県内のため池ソーラーの話が載っていた。紹介されたのは「行峯上池(ゆきみねかみいけ)太陽光発電所」で、吉野川中流の阿波市にある。2017年7月運転開始。池面積の約60%に5,808枚のパネルを敷き詰め、発電能力は1,568kW。

所有者はフランスの太陽光発電企業シエル・テールで、すでに日本国内27ヶ所に水上ソーラーを設置した実績がある。そのうち、10件が自社所有(2018年11月現在)。

一方、ため池の所有者は、阿波東部土地改良区の組合。近年組合員の高齢化による減少や、機械の老朽化などで財政が苦しくなっている折り、太陽光発電からの賃料(水面使用料)が大きな助けになっている。

この池の所在地は私の実家から西に30㎞ほど、約1時間の距離なので、さっそく視察に行ってみた。いつものことながら、水上ソーラーは美しい。一番の特長はパネルの並びが完全にフラットなこと。しかも、海と違って波がない。水面を蓮の葉のようにきれいに覆っている。

シエル・テールは、阿波市内であと3ヶ所の水上ソーラーを建設している。県内でも阿波市は農業用ため池が多い町だ。

12>

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【産総研】世界初となるペロブスカイト太陽電池自動作製システムを開発‼ 開発スピードを飛躍的に向上できる...
  2. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  3. ドイツの再エネを襲った「暗い凪(なぎ)」の威力と世界が進める「柔軟性」によるソリューション...
  4. ペロブスカイト×蓄電システムの未来!沖縄「創蓄トレーラーハウス」の事例をみた!...
  5. FIT発電事業者必見!売電ロス補償する「FIT売電保証サービス」とは?
  6. 【申込受付中!】12/10東京開催!「系統用蓄電池ビジネス」セミナー 蓄電所市場で勝ち抜くヒント...
  7. 丸紅新電力、三峰川伊那蓄電所の運用開始で電力安定供給に貢献
  8. 【資源エネルギー庁】関係法令違反等が確認された太陽光発電事業に対するFIT/FIP交付金の一時停止措置を実施!...
  9. 第7次エネルギー基本計画、年内に骨子案を固める 脱炭素電源の構成比率が焦点に...
  10. Sungrow Japanが10周年記念式典を開催 新たな低圧ソリューションと系統用蓄電システムを発表...
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.51 | ¥0
2024/10/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ