編集部からのお知らせ

卒FITビジネスが熱い! 電力買い取りや蓄電池システムに注目すべき理由は?

卒FITをターゲットに、新たなビジネスが産声をあげている。その筆頭が、卒FIT電力の買取サービスだ。自家消費ニーズの高まりを受けて、蓄電システムにも様々な提案がみられる。電力買取と蓄電をセットにしたサービスも真新しい。これまでにない企業同士の連携にも注目が集まる。

卒FIT電力の
買い取り現状は?

卒FIT電力の買い取りについては、新電力各社が続々と参入を表明している。しかし、具体的な買取価格を発表している会社は、まだ少ない。大手電力の買取価格が出そろっていないので、様子見をしている状況にあるようだ。大手電力の新メニューが出そろう6月以降、いっきに価格が公表されることになるだろう。

こうした状況にあって、2月28日に早くも価格を公表したのがソーラーフロンティアと昭和シェル石油(現・出光興産)だ。九州エリア7.5円/kWh、その他のエリア(沖縄を除く)8.5円/kWhという金額を打ち出して注目を集めた。太陽光パネルメーカーであるソーラーフロンティアの卒FITユーザーを囲い込むことで、同グループの電力供給サービスにも活かしていきたいところだろう。同グループでは、卒FIT太陽光から調達した電力を活用する「CO2低排出電力プラン」も提供していく考えだ。



NTTスマイルエナジーは、同社の太陽光遠隔監視システムを設置している顧客など卒FIT電力を新電力のエネットにまとめて供給する。エネットは、その電力を環境にやさしいグリーンメニューとして、RE100(事業運営を100%再生可能エネルギーで行うことを目標に掲げる企業の国際イニシアチブ)加盟企業などに販売していくという。


NTTスマイルエナジーとエネットの電力買取・販売スキーム 出典:NTTスマイルエナジー

 

卒FIT電力に乗り出す
数多くの企業

卒FIT電力に手を伸ばすのは、既存の新電力や太陽光関連企業だけではない。住宅メーカーである積水ハウスも、卒FIT電力の買い取りを表明した。買取対象を積水ハウスオーナーの太陽光発電だけに限定し、集めた電力は自らの事業用電力として使っていく計画だ。同社は日本の建築業界として初めてRE100に加盟した企業。卒FIT電力は、FIT電力とは違い、純然たる再エネと認められるので、再エネ調達比率を高めたいRE100企業には魅力的な電源なのだ。


卒FIT電力を自社事業用電力として活用。事業用電力のコストは、卒FIT買取単価に加え、託送料等を加えた金額になる。 出典:積水ハウス

同じくRE100企業であるイオンは、中部電力と提携する。中部電力が卒FIT電力を買い集め、イオンはそこから電力を調達し、店舗運営における再エネ比率を高めていくという。卒FIT電力を、イオンの「WAONポイント」と交換できるというのもユニークだ。



4月15日、卒FIT電力買取サービスを発表した積水化学工業は、蓄電池の有無で買取価格に変化をつけた。太陽光パネルのみの場合は9円/kWh、太陽光パネルと蓄電池がセットの場合は12円/kWh。価格差を設けることで、蓄電池のある暮らしを広めていきたい考えだ。なお、買取対象はセキスイハイム邸の卒FIT電源。電力販売先は積水化学グループ工場および他のセキスイハイム邸となる。買い手と売り手を自社ネットワーク内に限定することで、高い買取価格を実現しているといえるだろう。

12>

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 【 参加受付中!】2024年7月25日(木)「第30回PVビジネスセミナー」
  2. いつまで続けるのか、ガソリン補助という愚策
  3. 環境省地球温暖化対策事業室に聞く! 脱炭素化の課題とその乗り越え方
  4. 太陽光パネルの増設・更新を促進! 2024年度にルール見直し
  5. 経産省、部分供給の見直し案「分割供給」を今年10月にも導入か。既存のオフサイトPPAへの影響は?...
  6. 専門家に聞いた! 日本に「垂直ソーラー」が必要な理由とは?
  7. 脱原発完遂のドイツの電源構成、どうなるエネルギー費の再高騰リスク?
  8. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
  9. 「雑草」がエネルギー源に!? 名城大が発電を実演
  10. 世界で躍動を始めた、蓄電池の持つ再エネ拡大のパワー
太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.49 | ¥0
2024/04/30発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ