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新製品が続々登場! 「蓄電池パリティ」の実現へ、日本市場も着実に進んでいる!?

ドイツはいち早く“蓄電池パリティ”を達成している。 先進国ドイツには遅れをとっているものの、日本市場も着実に蓄電池の導入が進み、価格低下が進んでいるのだ。

テスラがついに設置開始!
2020年春から順次

圧倒的な低価格で一時、業界の話題をさらったテスラの家庭用蓄電池「Powerwall(パワーウォール)」が、ついに2020年の春から順次、日本においても施工が開始される。

Powerwallは、価格やデザインもさることながら、専用のアプリにおいて太陽光発電システムの稼働状況、家庭内の電気の使用状況などを確認し、エネルギーマネジメントを行えることも特徴だ。

蓄電池の施工を数多く手掛けている日本住宅サービスは、テスラPowerwallの認定施工企業4社のうちの1社として、2019年11月から問い合わせの受付を開始する。同社の広島県福山市にある本社ショールームなどで製品の展示も行うという。

DATA

TESLA
Powerwall

ついに施工が始まる“圧倒的な低価格”を誇る家庭用蓄電池。コンパクトかつシンプルなデザインでありながら、分電盤全体をまるごとバックアップする大容量・高出力。スマートフォンのアプリで遠隔操作とモニタリングが可能。蓄電池は10台まで拡張できる。

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日本メーカーも新製品を開発
海外発メーカーにも期待

それでは、日本メーカーの動向はどうだろうか。

京セラは、世界初※となる「クレイ型リチウムイオン蓄電池」の開発に成功。製造プロセスを大幅に簡素化でき、長寿命・高安全性・低コストに優位性があるという。今年10月には「2019年度グッドデザイン賞」を受賞しており、デザイン面でもすぐれた製品だ。2020年1月以降、この蓄電池を内蔵した新型の蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」の少量限定販売を開始し、2020年秋の本格的な量産に向けて体制の構築を図る。
※京セラ調べ(2019年10月2日現在)。クレイ型の蓄電システムとして。

村田製作所が提供するパワーコンディショナ・蓄電池一体型の「All-in-One蓄電池システム」にも引き続き注目したい。長寿命サイクルにすぐれた高品質な蓄電池セル「fortelion」が強みだ。日本国内の工場で組み立てることで品質の安定化を図るなど、高品質な製品を届けることに貪欲な姿勢を崩さない。

パワコンメーカーとして知られる台湾発のデルタ電子は、太陽光と蓄電池の充放電を1台で制御するハイブリッドパワーコンディショナと蓄電システムをセットにした「SAVeR-H」シリーズを提供。テスラだけでなく、海外発企業もまた、日本の蓄電池市場において存在感を強めている。

 

DATA

京セラ
Enerezza

京セラが世界で初めて開発に成功した「クレイ型リチウムイオン蓄電池」を採用。製造プロセスを大幅に簡素化できるため、長寿命・高安全性・低コストにすぐれる。外観の継ぎ目を除くことで美しいフォルムを実現。「2019年度 グッドデザイン賞」受賞。

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村田製作所
All-in-One蓄電池システム

コンパクトな筐体にパワーコンディショナと蓄電池を一体化。高純度な材料を用いて日本国内で製造される長寿命サイクルにすぐれた高品質な蓄電池セルを搭載。日本国内の工場で組み立てることで品質の安定化を図るなど、安全性に徹底的にこだわっている。

電気自動車の普及が進めば
V2Hの導入も加速する

今後、電気自動車の普及に伴って、家庭とクルマのバッテリーをつなぐ「V2H」の導入加速も予測される。2019年9月に開催された、フランクフルト・モーターショーと同様、この10月末に開催された東京モーターショーにおいてもEV化への流れは明らかだった。レクサスのコンセプトEVやマツダの量産型EVなどがお披露目され、電動化に向けた流れが不可逆であることを印象づけた。

こちらの記事で紹介しているユーザーのように、いち早くニチコン製V2Hを導入し、EVの大容量バッテリーを使いながら自家消費をしている家庭も存在する。中古EVを購入し、家庭用の大容量蓄電池として使用する例も増えてくるだろう。

家庭用蓄電池もクルマのバッテリーも、導入が進めばコストはさらに低減してゆく。蓄電池パリティの実現に向けて、日本市場も着実に進んでいるのだ。


SOLAR JOURNAL vol.31(2019年秋号)より転載

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