【国内初】洋上風力専門の運営会社が秋田に誕生! 県内雇用も強化
2020/03/12
2月14日、日本風力開発グループの日本オフショアウインドサービスと大森建設は、洋上風力発電所の運営・保守専門会社「秋田オフショアウインドサービス」を秋田県内に設立した。国内初の洋上風力発電所専門の運営・保守会社だ。”洋上風力先進県”秋田で実装に向けた取組みが始まる。
日本風力開発と大森建設が設立
地元雇用重視の風力運営会社
日本風力開発グループの日本オフショアウインドサービスと大森建設が2月14日に設立したのは、洋上風力発電所の運営・保守専門会社「秋田オフショアウインドサービス(AOWS:Akita Offshore Wind Service Co., Ltd.)」。洋上風力発電所の運営・保守専門会社としては国内初という。
AOWSでは今後、洋上風力発電所の導入状況に応じ、秋田県内での採用を積極的に行う予定だという。日本風力開発グループと大森建設グループが培ってきたノウハウを活用し、人材育成に取り組んでいく方針だ。
日本風力開発グループである日本風力開発株式会社は、国内大手の風力発電事業者だ。1999年に創業し、国内外で200基以上の風力発電所の開発・操業実績を持つ。
大森建設株式会社は、1946年に秋田県で創業以来、建設業を中心にさまざまな事業を展開している。2016年からは、地元業社9社と能代市との共同出資による「風の松原風力発電所」39,100kWを運営するなど、風力発電事業にも力を入れている。
秋田県は洋上風力の先進県
国内最多4海域で開発進む
風力発電全体では、2030年のエネルギーミックスにおいて、1,000万kW、電源構成比率にして約1.7%の導入が目指されている。しかし、資源エネルギー庁による2018年度末の速報値では約0.7%にとどまる。2019年末の導入実績も、約392万kWと4割に満たない(速報値・日本風力発電協会調べ)。
政府は、2019年4月から「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」を施行し、洋上風力発電の普及に向けた環境整備を進めている。同12月には、再エネ海域利用法に基づき、長崎県五島市沖が促進区域の第1号として指定された。
(関連記事:『一般海域占有期間が最長30年に! 洋上風力発電の新法案とメリットとは』)
今回の舞台となった秋田県は、洋上風力発電の先進地域とされている。丸紅、関西電力や大森建設など12社は、秋田県秋田港および能代港において洋上風力発電プロジェクトに取り組んでいる。このプロジェクトでは、約14万kWの着床式洋上風力発電所を2022年に運転開始することを目指している。
また、4つの一般海域(八峰町/能代市沖、能代市/三種町/男鹿市沖、潟上市/秋田市沖、由利本荘市沖)が洋上風力発電所の有望区域及び促進区域候補として国に選出されている。この4海域においては、合計200万kWの風力発電所が2026年頃の操業開始を目指し、国の審査や事業者の公募などが進められる予定だ。
DATA
文/山下幸恵(office SOTO)