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省エネ法「ベンチマーク制度」「工場等判断基準」、10年ぶり見直しへ

2月17日、経済産業省は、工場等判断基準ワーキンググループの「中間とりまとめ」を発表した。省エネ法に基づくベンチマーク制度の見直しや、工場等判断基準の改正案が目玉だ。改正法令は、パブリックコメントを経て、2020年4月に施行予定。

ベンチマーク制度導入から10年
6業種10分野の見直し

省エネ法では、需要家の省エネ対策を進めるため、エネルギー消費原単位目標と、業種別のベンチマーク目標を設定している。省エネ法とは「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」を指す。

2015年に発表された「長期エネルギー需給見通し」では、経済成長を前提とした、徹底した省エネを目指している。その目標は、2030年度に原油換算で5,030万kLという規模だ。こうした背景から、省エネの推進は至上命題とされている。

エネルギー消費原単位とは、電気や原油などのエネルギー使用量を、生産数量等で除したものだ。単位あたりのエネルギー消費効率を示す。省エネ法では、5年度で平均1%以上の改善を求めている。

ベンチマーク制度は、業種ごとにエネルギー消費効率のベンチマークを定めたもの。ベンチマーク指標に基づいて設定されるベンチマーク目標は、業種ごとの上位1〜2割が達成できる水準とされる。

しかし、産業部門を例に挙げると、エネルギー消費原単位目標とベンチマーク目標の双方が未達成の事業者は、全体の44%にのぼる。同ワーキンググループによる事前のヒアリングにおいても、事業者ごとの品種構成の違いなどにより、ベンチマーク目標は達成できないという意見も挙がっていた。

そのため、今回、ベンチマーク制度を導入して10年ほど経過した産業部門など、6業種10分野についての改正案が提出された。

工場等判断基準などの見直しも
2020年4月の施行予定

改正案のポイントは、「ベンチマーク制度」と「工場等判断基準及び中長期計画作成指針」の見直しだ。

ベンチマーク制度の見直しでは、目標年度を新設し、2030年度とした。また、中長期の投資計画を作成し、その達成状況を定期報告書で報告する。このような事業者と政府とのPDCA(Plan・Do・Check・Act)サイクルによって、省エネの強化を目指す。

ベンチマーク目標の水準については、「業種ごとの上位1〜2割が達成できる水準」に加え、「最良かつ導入可能な技術を採用した際に得られる水準」と「国際的にみても高い水準」も、踏まえるべきとされた。

「工場等判断基準」とは、エネルギーを使う事業者が遵守すべき事項を定めたもので、これに基づき毎年の定期報告書の提出が求められている。遵守すべき事項の「基準部分」と、取り組むべき事項の「目標部分」によって構成されている。今回は、関係業界からのヒアリングを踏まえ、約10年ぶりに見直し、「基準部分」と「目標部分」の対応関係の整理を行った。

ほかにも自己託送の場合に使用する係数の取扱いや、定期報告書による事業者クラス分け評価制度の基準についても見直しがなされた。

DATA

省エネルギー小委員会 工場等判断基準ワーキンググループ


文/山下幸恵(office SOTO)

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