編集部からのお知らせ

東京・中部・関西の出力制御、検討に動き出す! “無制限無補償”はどうなる?

経済産業省は3月10日、系統ワーキンググループにおいて、東京電力パワーグリッド・中部電力・関西電力エリアの出力抑制の対応について検討を開始した。いわゆる「中三社」は、これまで出力制御を行っていない。しかし、再エネの急速な導入を受け、目前に迫った課題に対し検討がスタートした。

中三社の出力制御備え
オンライン制御の方向性明示

経済産業省の第25回系統ワーキンググループは、書面での開催とされ、東京電力パワーグリッド・中部電力・関西電力の「中三社」エリアの出力制御について検討を開始するとされた。具体的には、中三社エリアを含む太陽光・風力発電の「30日等出力制御枠」や「指定電気事業者制度」の見直しに取り掛かる。

再エネの導入拡大によって、現在、中三社を除く7エリアで出力制御が実施されている。それだけでなく、太陽光・風力の接続量と接続契約申込量が「30日等出力制御枠」を超過している状況だ。



中三社ではまだ出力制御は実施されていないものの、3エリア合計の接続量・接続契約申込量は、太陽光が4,500万kW風力が760万kWと大きく伸びている。(中部電力:2019年11月末、東京電力・関西電力:同年12月末時点)

こうした背景から、今後の検討の方向性が次のとおり示された。

2020年度から電力広域的運営推進機関におけるマスタープラン検討に組み込むこと。並行して、再エネ出力制御システムの構築や、出力制御機能付きPCSへの切り替えを順次進めることだ。より柔軟な調整を可能とするオンライン制御のためには、出力制御機能付きPCSの設置が必要とされている。

「指定電気事業者制度」も見直し
“無制限無補償”の扱いに焦点

「30日等出力制御枠」とは、 FIT制度により、年間30日(もしくは太陽光360時間、風力720時間)の出力制御の上限内で系統連系が可能な量のこと。この条件で契約した発電事業者は、年間30日等は無補償で出力制御に応じることが義務付けられている。

しかし、この30日等出力制御枠以上に再エネの系統接続が見込まれる場合、需給バランス維持のため、上限を超えた制御が必要となる。その際には、旧一般電気事業者が「指定電気事業者制度」に指定されることで、枠を超えた“無制限無補償”での出力制御が可能とされている。

今回の書面審議では、この指定電気事業者制度についても見直しの方向性が示された。次回以降の同ワーキンググループにおいて、中三社を含む制度の在り方について議論が進められる予定だ。



DATA

電力・ガス基本政策小委員会 系統ワーキンググループ


文/山下幸恵(office SOTO)

関連記事

太陽光関連メーカー一覧

アクセスランキング

  1. 第7次エネルギー基本計画を閣議決定 太陽光の比率を 23~29%程度に変更...
  2. 国内最大級の348台分ソーラーカーポート設置で電力自給率20%達成へ
  3. 2025年度に日本市場300MWhの蓄電池調達 TAOKE ENERGYとCATL社が契約締結
  4. 【参加受付中!】2025年4月22日(火)「第33回PVビジネスセミナー」
  5. AI技術を融合した「モジュール式蓄電システム」 高い安全性とコスト効率が強み...
  6. 【受付中】3/14(金) 盗難対策ウェビナー ~2025年最新情報と対策ノウハウ~
  7. 伊藤忠商事とEnphase(エンフェーズ)が業務提携。米国トップのマイクロインバーターついに日本販売...
  8. グリッドコードとは? 太陽光発電事業者も知っておくべき系統運用の新ルール...
  9. 専門家に聞いた! 日本に「垂直ソーラー」が必要な理由とは?
  10. N型軽量モジュールで存在感を放つDAS Solar! 最軽量は驚きの4.2Kg/㎡
広告お問い合わせ 太陽光業界最新ニュース

フリーマガジン

「SOLAR JOURNAL」

vol.52 | ¥0
2025/1/31発行

お詫びと訂正

ソーラー電話帳 SOLAR JOURNAL メディアパートナーズ