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圧倒的な発電効率と収益性! ソーラーシェアリング専用「全自動3D追尾式架台」

欧州で培われた3D追尾技術が、日本のソーラーシェアリングを変える。国内仕様に最適化された「ノータス架台」の魅力とは?

営農型太陽光が変わる

FIT環境が厳しさを増す中、ソーラーシェアリング(営農型太陽光)への関心が高まっている。今年度から新たに加えられた「自家消費率30%以上」というFIT認定要件の適用除外となり得るからだ。同時に、電力需要家である大手企業も、自家発電設備としてソーラーシェアリングに関心を寄せ始めている。それが環境調和型の発電設備であり、サステナビリティを重視する企業姿勢をアピールすることにもつながるためだ。

こうした状況にあって、これまで日本ではあまり見ることのできなかった太陽追尾式のソーラーシェアリング架台が登場し、注目を集めている。欧州を中心に約10年の稼働実績を誇るソーラーシェアリング架台技術AGROVOLTAICO(アグロボルタイコ)を日本向けに最適化した「ノータス架台」だ。


ヨーロッパでの施工例。ノータス架台には、欧州の大規模農場で多年にわたる実績を誇るソーラーシェアリング架台技術AGROVOLTAICO(アグロボルタイコ)が採用されている。

3D追尾ならではの魅力

ノータス架台は、2種のモーターを使った2軸追尾(3D追尾)により、太陽光パネルを常に太陽の方向に向けておくことができる。これまで日本にも太陽光パネルの仰角だけを変える1軸追尾式のソーラーシェアリング架台はあったが、2軸追尾式ソーラーシェアリング架台を探すのは難しかった。通常の架台との比較はいうまでもなく、1軸追尾式架台と比べても、2軸追尾式架台の発電効率は極めて高い。当然、その分だけ売電収入は増えるし、自家消費システムとして採用すればエネルギーコストの大幅削減が可能となる。


(左)メインモーター (右)サブモーター
2種のモーターの組み合わせにより、太陽の3D(2軸)追尾を実現する。


ノータス架台実証実験プラントにて(滋賀県竜王町)。太陽を自動で追いかけ発電量を最大化する。

気になるのは、導入コストとランニングコストだが、実際に得られる発電量を考えると、kWhあたりの単価はむしろ割安になるという。もちろん架台そのものの値段は相対的に高価だが、それを補って余りある収益性を確保できるということだ。

また、ノータス架台は基本的に受注生産(国内生産)であり、ロット数によって製造コストが変わるため、規模が大きいほど割安になるという。

農業のことを一番に考えて

「発電と営農の完全両立を目指したソーラーシェアリング専用の3D追尾式架台で、日本農業の発展に貢献したい」と、ノータス架台を展開するノータスの髙橋隆造社長はいう。

髙橋氏は、長く農業に携わり、農業生産法人も運営している人物。それだけに、農業に対する想いは熱い。ノータス架台が、営農のしやすさという面でも秀でているのはそのためだ。例えば、支柱と支柱の間隔は12m、高さは標準で4mを確保する。そのスケールは、一般的なソーラーシェアリング架台を大きく凌駕する。これだけの広さがあれば、大型の農業機械を安心して動かすことができるため、営農の可能性も広がる。

ノータス架台3つの特長

特長1 圧倒的な発電効率と収益性
両面パネルを採用し、さらに収益アップを図ることもできる。高さのあるノータス架台なら、両面発電の効果も大きい。


出典:ノータス

太陽の位置に合わせて動く3次元追尾機能により、太陽光パネルを最適な角度で太陽に向けて発電することができる。これにより、固定型と比べて146%の高い発電効率を達成(2019年イタリア)。実発電量が増えるので、導入コスト(事業開発費)やO&Mコスト(経費)をハイペースで回収し、大きな売電収入(売上)を見込むことが可能となった。利益率で見ると野立てとノータス架台が約50%でほぼ同じだが、野立て用地が少なくなっている現状を考えると、農地を利用するノータス架台には大きな将来性が認められる。

特長2 営農しやすいスペース設計
ノータス架台の支柱スパンは12m、高さは4m~5mと世界最大級。日本のソーラーシェアリングの常識をくつがえす、広々とした営農空間を確保できる。大型の農業機械もゆとりをもって動かすことが可能なので、生産作物を選ばず、営農への障害が圧倒的に少ない。

特長3 天候に応じてパネルを調整
強風時や積雪時には、太陽光パネルの向きが自動的にセーフティーポジションとなり、災害を回避する。

ノータス架台に期待膨らむ

ノータスは昨年6月、国際特許技術AGROVOLTAICOの日本での展開権を伊レムテック社から取得。日本向けに最適化したノータス架台の開発を進めてきた。今年4月には実証実験プラント(滋賀県竜王町)が動き出し、さらなる知見を蓄積。既に国内で1MW以上の受注を得ており、今秋にも最初の案件が稼働する予定だ。

組み合わせるパネル(60セル限定)やパワコンに指定はないので、柔軟なシステム設計が可能。さらにノータスでは、架台の製造販売だけでなく、営農アドバイザリーまでワンストップで行っており、農業に不慣れな発電事業者でも安心して取り扱うことができる。いよいよ本格展開が始まったノータス架台が、日本の農業とエネルギーをどう変えていくことになるのか、しばらくは目が離せそうもない。

PROFILE

ノータス株式会社 代表取締役社長

髙橋隆造氏


遠隔監視画面でノータス架台の状況を見つつ、日本の農業とエネルギーの未来について熱く語る。

問い合わせ

ノータス株式会社
大阪市淀川区西中島4-3-21 NLCセントラルビル1105号室 
TEL:06-6318-0268


撮影/井ひろみ
取材・文/廣町公則

SOLAR JOURNAL vol.34(2020年夏号)より転載

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