カナディアン・ソーラー、ファンド設立で国内市場の収益化戦略を強化する
2021/03/30
パネルメーカーの世界大手カナディアン・ソーラーが日本市場のプロジェクト開発強化のため、ファンドを設立した。投資銀行のマッコーリー・グループと提携し、220億円の出資コミットメントもすでに獲得している。さらに、同様の提携を世界中で推進する考えだ。
国内プロジェクトの開発目指し
220億円の出資コミットも獲得
2月16日、カナダを本拠とする太陽光パネルのグローバルメーカー、カナディアン・ソーラーが「ジャパン・グリーン・インフラストラクチャー・ファンド(JGIF)」を設立した。オーストラリアの投資銀行大手マッコーリー・グループのマッコーリー・アドバイザリー・アンド・キャピタル・ソリューションズとの提携によるものだ。
JGIF設立の目的は、日本において明確な収益化戦略をもって新規プロジェクトの開発を強化することだ。すでにマッコーリーら投資家から、太陽光プロジェクトの開発や建設、増設のために220億円の出資コミットメントを確保したという。
カナディアン・ソーラーのプレスリリースにおいて同社のショーン・クー会長兼CEOは、「日本でのクリーンで持続可能、高品質の太陽光発電プロジェクト開発における当社の競争力をさらに高めるとともに、出資を検討中の保険会社や資産運用会社といった同社の出資パートナーに対し、魅力的で安定的なリターンの提供を目指す」と述べた。
同社初の民間による投資ファンド
中南米や欧米での資本提携も計画
JGIFの優先交渉権は、稼働中の太陽光発電所を保有する日本の上場インフラファンドであるカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人に付与される予定だ。
ファンドの持つ分比率は、カナディアン・ソーラーが67%、マッコーリー・アドバイザリー・アンド・キャピタル・ソリューションズが33%だ。今後6年間の運用期間中に大規模な投資を行い、運用ファンドや二次市場への売却を目指すという。
今回のファンド設立は、同社初の民間資本による投資プラットフォームへの参入だ。今後は中南米や欧州など、世界中で同様の資本提携を計画していることも明らかにした。
DATA
文:山下幸恵(office SOTO)