2030年の電源別発電コスト発表、そもそもの試算目的や計算方法を解説!

第6次エネルギー基本計画の策定に向けた検討材料の一つとして、資源エネルギー庁が7月12日、2030年の電源別発電コスト試算の結果を公表した。前回の2015年と同じく「モデルプラント方式」による試算だ。前提条件などを詳しく解説する。

試算の考え方は前回を踏襲
電源種別ごとのコスト傾向を把握

今般の電源別の発電コストは、現在改訂中の第6次エネルギー基本計画の検討材料として試算されたものだ。前回の試算は2015年で「モデルプラント方式」という考え方に基づいて実施された。6年ぶりとなった今回も、計算式や考え方は前回のものが踏襲されている。

「モデルプラント方式」とは、電源種別ごとに更地から標準的な発電所(モデルプラント)を新設、運用するコストを積み上げ、1kWhあたりの発電コストを算出する計算方法だ。電源種別によって異なるコストの傾向を把握するのに用いる。この考え方は経済協力開発機構(OECD)などでも採用されている。

2015年の発電コスト検証の際には、上記の考え方に事故リスク対応費・政策経費・環境対策費を加味して発電コストが算出された。計算式は以下の通りだ。

(出典:第1回発電コスト検証ワーキンググループ)

再エネ増加で生じる統合コスト
今回の試算で初めて分析

こうした考え方に基づき試算された2030年の電源別発電コストは以下の通り。

(出典:第7回発電コスト検証ワーキンググループ)

上図の「太陽光(事業用)」「太陽光(住宅)」に関しては、資本費・運転維持費・政策経費によって構成されている。補助金などの政策経費が少なく燃料費がないことなどから、資本費が多くを占める。発電コストはそれぞれ「8円台前半~11円台後半」「9円台後半~14円台前半」となっている。

なお、これらの発電コストには、基本的には発電所の立地や系統制約といった条件は考慮されない。しかし、今回新たに再エネの増加による火力発電の効率低下や揚水発電の活用といった「統合コスト」を含めた試算も参考として提示された。

2015年の発電コスト試算
太陽光のコストが大きく減少

一方で、前回の2015年の検証で提示された2030年の発電コスト試算は以下の通り。「太陽光(メガ)」が12.7~15.6円/kWh、「太陽光(住宅)」が12.5~16.4円/kWhであった。比較すると、今回算出されたコストが大きく下がったことがわかる。

(出典:第1回発電コスト検証ワーキンググループ)

今回算出された電源別の発電コストは、2030年に向けたエネルギー政策の参考材料とされ、エネルギーミックスの検討にも利用される見込みだ。委員からは、この発電コスト試算の目的を明確にし、数字だけが一人歩きすることのないようにしたいといった意見が挙がった。

DATA

第7回発電コスト検証ワーキンググループ


文:山下幸恵(office SOTO)

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