いよいよ電力自由化本番 Looopの新電力戦略
2016/01/29
ポイントは需給コントロール
ビッグデータ活用も視野に
同社が電力を安定的にかつ格安で販売できる最大の要因は、独自の需給管理システムを構築できたことだ。小売電気事業は、電力の需要と供給を常に一致させておく同時同量を30分単位で達成させなければならない。達成できなかった場合は、電力会社が代わりに顧客へ電力を補給することになる。その際、違反企業はインバランス料金と呼ばれるペナルティを支払う。このインバランス料金が高額なのが小売事業の参入障壁の1つといわれている。
「当社は遠隔監視サービス『みえるーぷ』を手がけてきたことから緻密な発電量予測ができるノウハウ・スキルを修得した。さらにこのノウハウ・スキルを応用して顧客の需要量も細かく予測できるようになりました。そして統計処理を用いた独自のロジックを使い、発電量と需要量を正確に予測するシステムを構築し、結果として、電気の調達量を無駄なく最適化できるため、安く提供できます」(小嶋部長)。
しかも同社の需給管理システムの精緻な予測は、天気予報や新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公開データなど膨大なクラウドデータをビッグデータ解析に基づいて行っていることから、ゆくゆくはビッグデータを活用した新サービス提供などの展開も視野に入れているという。この独自の需給管理システムは同業他社の評価も高く、バランシンググループ参加への問い合わせなどが多数寄せられているという。