編集部からのお知らせ

発電量の損失、“電線の太さ”を変えるだけで解消!

配線ロスだけで事業収益は大きく変わる!

■太い電線ほど、配線ロスが少ないことがわかりました。それでは、なぜみんなが太い電線を使うということにならないのでしょうか?
太い電線は、価格も高いし施工にも人手が必要です。ですから、コスト削減と将来の発電量のどちらを選ぶかは、事業者の判断ということになります。また、短い電線であれば細くても十分に問題がないということもあります。
その上で、やはり固定価格買取制度の買取期間である20年間という長い目で見れば、多少コストがかかっても、配線ロスが少なくなる施工をするべきだと思います。

■配線ロスだけで、どのくらい売電収入が違ってくるものなのでしょうか?
例えば、1MWの太陽光発電所の場合、1kWhあたり40円で売電できるとすると、年間の売電収入はおよそ4000万円になります。しかし、仮に不適切な電線を使うことで、黒板に示したように、配線ロスが6.39%大きくなったとしましょう。それだけで、年間255万円、20年間では5110万円もの損失になります。

(画像※黒板2)

■発電事業者にとっては、配線ロスは大きいことですが、施工業者はそのことを理解しているのでしょうか?
そこが問題なのです。施工業者にとっては、受注金額が決まっていれば、利益を出すためには、なるべく施工のコストを下げることになります。また、太陽電池パネルや架台などは、建設に合わせて調達しますが、電線などは施工業者がストックしてあるものを使うことが一般的です。そうすると、施工業者にはあえて太い電線を使うという動機はありません。むしろ、目立たない部分なので、JIS規格以下の電線を使うなど、施工で手抜きをしやすい場所だともいえます。
ですから、発電事業者は配線ロスのような知識をきちんと身に着けた上で、施工業者ときちんとコミュニケーションをとり、適切な電線を使うように指示する必要があります。

■ところで、他にも配線ロスを減らす方法はありますか?
電圧を高くすることや、電圧の高い部分をなるべく長くするなどの方法があります。高電圧ほどロスが少ないので、最近はパワコンも1000Vといった高い電圧の製品がよく使われています。
いずれにせよ、発電事業者は正しい知識を持って、施工コストを必要以上に切り詰めず、発電量の最大化を考えるべきでしょう。

日本メガソーラー 整備事業株式会社
代表取締役社長
目﨑 雅昭氏 (画像※プロフィール写真)
2012年に日本メガソーラー整備事業株式会社を設立。同社は、設計から施工、管理、研究の全てを自社で行うことで、太陽光発電所の「全体の最適化」を追求し続けている。
日本メガソーラー整備事業株式会社
☎03-6435-2391
http://www.j-megasolar.com


取材・文/本橋恵一

(2015.11.25up)

Sponser:日本メガソーラー 整備事業株式会社

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