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サングロウのエグゼクティブに聞いた日本市場でのビジネス展望。世界が注目するグリーン水素の行方は?

サングロウの「グローバル・リニューアブル・エナジー・サミット2024」に先立って、本誌は、サングロウジャパンの徐 菡社長へ、日本におけるビジネス展開についてインタビューを行った。世界が注目するグリーン水素の現在地もリポートする。

(サングロウはこのほど、中国・合肥市に本社と工場を新しく完成させた。出展:サングロウ)

系統用蓄電池に不可欠な
高い安全性を実現

国内では、長期脱炭素電源オークションが開始したことなどから、系統用蓄電池の市場が熱を帯びている。従来の業界の垣根を超えて、異業種から系統用蓄電池事業にチャレンジしようとする事業者も少なくない。サングロウの水冷式系統用蓄電池システム「Power Titan」は、こうしたニーズに応えるとともに、高い安全性を両立するとサングロウジャパンの徐 菡社長は話す。

「日本における蓄電池システムの市場は、今後、大きく成長すると考えています。従来、蓄電池システムというと、それぞれの機器を別々に買い揃えて組み上げていくことが一般的でした。しかし、今後は、必要な機器をすべてパッケージ化し、導入までのリードタイムを短縮するとともに、安全性を高めることが重要だと考えています」と国内の蓄電池市場の動きを読み解く。

サングロウの「Power Titan」は、安全性を高めるために、あえて厳しい気候条件のもとでさまざまな試験を実施しているという。「当社の蓄電池システムには、必要な機器がすべてパッケージ化されていて、導入しやすく、安全性が高いというメリットがあります。独自のグリッドサポート機能を活用して電力系統への負担を抑えながら、日本の電気の安定供給に貢献したいと考えています」と前を向く。

世界最大級の太陽光展示会
グリーン水素製造装置を初披露

今年6月には、中国・上海市で世界最大級の太陽光発電関連の展示会である「第17回国際太陽光発電およびスマートエネルギー会議・展示会(SNEC2024)」が開催された。SNECの開催規模は過去最大級で、来場者はのべ50万人を超えたということだ。

サングロウは、SNEC2024で「フレキシブルグリーン水素製造装置」を初めて出展した。これは、再生可能エネルギーを使って水素を製造する装置だ。太陽光発電や風力発電などの電気が余るときに水素を作ることで、環境にやさしい再エネを有効活用できる。

(サングロウの「グローバル・リニューアブル・エナジー・サミット2024」には、世界40ヶ国以上から300社を超える参加者が集った。出展:サングロウ)

中国・合肥市の本社で開催したサングロウの「グローバル・リニューアブル・エナジー・サミット2024」でも、参加者の関心はグリーン水素に注がれていた。グリーン水素を実用化するには、再エネを導入するだけでなく、供給システムや制御、他のシステムと統合することも重要になる。

このように、グリーン水素のシステムを実現するカギは、全体像をいかに具体的にデザインできるかにかかっていると言っても良い。太陽光発電のPCSや蓄電池といった、多種多様なエネルギーリソースについて、長年にわたる知見を蓄積しているサングロウへの期待が高まっている。

話を聞いた人

Sungrow Japan株式会社
社長 APACテクニカルディレクター
徐 菡(Xu Han)氏


取材・文:山下幸恵(office SOTO)

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