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「波力発電」が世界初の実用化へ向けてついに始動!

波力発電とは、波の上下運動を利用した発電システム。実用化に向けて世界各国で研究が進められているが、コストや海洋の環境問題などから、いまだ発展途上の段階である。しかし、四方を海に囲まれた日本に適した発電方法として、国内では次世代型エネルギーとしての期待も高い。

課題だった環境問題とコストを解決
早期実用化に向けて大きく前進

これまで、環境汚染や安全性、運用効率といった数多くの問題から、なかなか実用化に至らなかった波力発電だが、それらの課題をクリアした実証機のプロトタイプが完成した。商用型の波力発電設備としては世界初。開発を手がけたWave Energy Technology(ウェーブ エナジー テクノロジー)株式会社は、2017年5月下旬、神戸市で実証試験の結果を公開。数年以内の実用機稼働を目指すと発表した。

「浮遊型波力発電設備(グリーンパワーアイランド Green Power Island=GPI)」(以下GPI)と名付けられたシステム機は、沖に浮かべる浮遊式。海底に固定する必要がないため、環境破壊や汚染といった問題を防ぐことができる。また、GPS(全地球測位システム)を導入して、波に煽られても自動で元の位置に戻るように制御。遠隔での監視や操作で、点検時以外はほぼ無人化を可能にして運用コストを抑えた。


10kWの発電能力を持つGPIの実証1号機。直径1.4m×全高13.9mで、重量は6.8トンある。

波力は効率の良い自然エネルギー
日本の製造技術を駆使した新発電方式

波によって生み出されるエネルギー密度は、太陽の約20倍、風の約4倍にもなるといわれている(平成22年:東京都環境局「波力発電検討会報告書」より)。GPIは最低50cmの高さの波があれば発電できるため、発電にかかるコストも5~7円/kWh程度だという。また、海洋は枯渇の心配がなく、発生する波も太陽光や風力のように天候の影響がほとんどないため、安定的な電力の供給が可能だ。

今回導入した発電システムの原理はイタリアで誕生したものだが、設計、製造は日本の近畿圏内の企業がそれぞれ担当した。実証機の発電機や位置制御用装置などは欧州製のものを使用しているが、その一部を日本国内でさらに改良、ほか多くの部品が日本製だ。実用化の際には、ほぼ国内産の部品で製造する予定だとしている。

波力発電は、地方自治体や中小企業にとっても、エネルギーの地産地消ビジネスに参入するための間口が広がる新しい技術。Wave Energy Technology株式会社では今後、日本国内における「波力発電プロジェクト」の立ち上げをバックアップし、波力発電のメジャー化を進めていく方針だ。


GPI実証機の概要図(出典:Wave Energy Technology)


Wave Energy Technology株式会社
東京都港区虎ノ門3-10-3 虎ノ門MTビル 5階
TEL:03-6452-8988
HP:http://www.we-tech.jp


取材・文/児玉菜穂子(micro*cubic)

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