住宅向け「0円ソーラー」とは? 初期費用ゼロで導入ハードルを下げる!
2023/12/04
初期費用ゼロで太陽光を設置できる
「0円ソーラー」の2大モデル
初期費用0円で太陽光発電設備を設置できる0円ソーラー。そのうち、今日主流となっている「電力販売(PPA)」と「リース」について、それぞれの特長をまとめた。下段では、各モデルを展開する事業者と、それぞれの事業者が掲げる設置条件を整理した。
電力販売(PPA)
屋根上の太陽光で発電した電気を
使った分だけ月々購入
事業者が、契約者(住宅所有者)の住宅に、事業者の一時負担で太陽光発電設備を設置。発電設備とそこで発電した電気は事業者のものとなる(発電設備は契約期間後に住宅所有者に無償譲渡される)。
住宅所有者は、自宅の屋根上で発電した電気のうち、自ら使用した分を事業者から購入する。事業者に支払う電気料金には、再エネ賦課金がかからない。そうしたこともあり、電力会社の電気料金より安く抑えることができる場合が多い。なお、太陽光発電だけでは足りない分は、通常の電気料金を支払って電力会社から購入することになる。
事業者は、住宅所有者から徴収する電気料金と、余剰電力を電力会社等に売電することにより収益を上げる。発電設備の所有者は事業者であるため、契約期間中の維持管理、メンテナンス費用等は当然に事業者負担となる。
PPAとは「Power Purchase Agreement」の略で、「電力購入契約」を意味する。事業者と住宅所有者の契約関係に着目し、こう呼ばれることも多い。
住宅用太陽光の電力販売事業者と設置条件(一例)
リース
発電した電気は使い放題。
但し、使わなくてもリース料金が発生
0円ソーラーにおけるリースとは、住宅所有者と事業者が、太陽光発電設備についてリース契約を結ぶもの。住宅所有者は月々のリース料金を支払うことで、事業者が設置した自宅の太陽光発電設備を活用することができる。発電設備導入にかかる初期費用を事業者が一時負担する点は電力販売と同じだが、契約対象が電力ではなく発電設備であるところが大きく異なる。リース料金は、発電設備に基づいているので、発電した電気の使用量には関係せず、月々一定である場合が多い。
発電設備は事業者のものだが、そこで発電した電気は住宅所有者のものなので、その電気をいくら使っても電気料金はかからない。自分の電気なので、自家消費はもちろん、余剰電力の売電も自由に行える。とはいえ、高騰する電気料金に比して、買電単価は圧倒的に安いところばかりだ。一方で、リース料金は毎月変わらずに発生する。できるだけ多く自家消費をしてこそ、リースのメリットを享受できるといえるだろう。
なお、維持管理は事業者が行うことや、契約期間後に設備が無償譲渡されることは、電力契約の場合と同じ。
住宅用太陽光のリース事業者と設置条件(一例)
取材・文:廣町公則
SOLAR JOURNAL vol.46(2023年夏号)より転載